玄関ドアリフォーム補助金の活用とコスト削減のポイントをご紹介
- 公開:
- 2024.07.31
- 更新:
- 2024.08.09
玄関リフォーム
玄関ドアのリフォームを検討している方の中には、リフォーム代金を抑える方法がないか気になっている方も多いのではないでしょうか。補助金を利用できれば、リフォームにかかる費用を抑えることが可能です。
この記事では、玄関ドアのリフォームにいくらかかるか、利用できる補助金、リフォーム費用を抑える方法や注意点などについて解説します。玄関ドアリフォームで利用できる補助金について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
CONTENTS
そもそも玄関ドアのリフォームはいくらかかるか?
玄関ドアのリフォームは部分的なリフォームなため、そこまで高額にならないと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、比較的簡易なリフォーム方法を選択しても、玄関ドアのリフォームには総額で約30~50万円程度の費用がかかります。
無理のない資金計画を立てるためにも、事前にどのくらいの費用がかかるのか把握しておくことが大切です。玄関ドアリフォームの大まかな費用相場について詳しく見ていきましょう。
玄関ドアリフォームの大まかな費用相場
玄関ドアのリフォーム費用は、交換するドアのグレードや、リフォーム時に選択する工法によっても金額に差が生じます。そのため、どのようなグレードのドアを設置するのか、どのような工法を選択するのかも検討する必要があります。
ドア交換のみ
ドア交換のみの場合にかかる費用の目安は、以下の通りです。
内容 | 費用相場 |
新しい玄関ドア本体、部品の購入費 | 15万円~ |
工事費用、処分費用 | 3万円~10万円 |
既存のドア枠をそのまま使用するため、工事費用を抑えることが可能です。ただし、設置できるドアが限られる点に注意してください。
カバー工法
カバー工法を選択した場合にかかる費用の目安は、以下の通りです。
内容 | 費用相場 |
新しい玄関ドア本体、部品の購入費 | 15万円~ |
工事費用 | 5万円~18万円 |
カバー工法とは、既存のアルミ枠に新しい枠を被せる施工方法です。既存のドア枠を残したままで施工するため、既存のドア枠の撤去や壁を壊す工程を省くことで費用負担を抑えられます。工期が短く早ければ半日で完了する点がメリットですが、新しい枠を被せることで開口部の広さが狭くなる、段差が生じる点に注意が必要です。
はつり工法
はつり工法を選択した場合にかかる費用の目安は、以下の通りです。
内容 | 費用相場 |
新しい玄関ドア本体、部品の購入費 | 15万円~ |
既存ドア・ドア枠の撤去、取り外し | 1万3,000円~2万円 |
ドア枠の取り付け | 4万円~5万円 |
ドア枠のコーキング | 1万5,000円~2万円 |
はつり工法では、既存のドア枠を新しいドア枠に交換します。ドア交換のみまたはカバー工法と比べて工程が増えるため、費用が高額になるのが一般的です。すべてを一新することによって開口部の広さを維持できる点はメリットですが、工期が長くなりやすく、外壁に手を加えることで雨漏りが発生する可能性がある点に注意が必要です。
玄関ドアリフォームで使える補助金
玄関ドアのリフォームで使える補助金として、以下の6つが挙げられます。
- ❖ 次世代省エネ建材支援事業
- ❖ 断熱リフォーム支援事業
- ❖ 長期優良住宅化リフォーム
- ❖ 介護保険の高齢者住宅改修費用助成制度
- ❖ 各地方自治体の補助金
- ❖ こどもエコすまい支援事業【予算終了】
それぞれの補助金を詳しく説明していきます。
次世代省エネ建材支援事業
次世代省エネ建材支援事業は、一般社団法人環境共創イニシアチブによる補助金制度です。省エネルギー化を目的とする住宅の断熱性能を高めるリフォーム工事に対して支援を行っています。
補助金の特徴
以下の3つのいずれかの工事を実施した場合に限り、玄関ドアリフォームに対して補助金が支給されます。
- ❖ 外張り断熱
- ❖ 内張り断熱
- ❖ 窓断熱(外窓)
事業に登録されている製品を使用するリフォームが対象で、玄関ドアと全ての窓(防火・防風・防犯仕様)を改修することによって上限150万円/戸の補助を受けられます。
外張り断熱や内張り断熱などによる断熱改修を実施した場合は、玄関ドアの改修も補助対象になります。
受給条件
以下のいずれかの条件に該当する方は、対象者となります。
- ❖ 戸建住宅または集合住宅の所有者、所有する予定のある方
- ❖ 賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらも可)
支給額
補助対象経費の2分の1以内の補助金が支給されますが、補助金の支給額の上限はリフォームの内容によって以下のように異なります。
リフォームの内容 | 補助金の支給額(上限) |
①外張り断熱 | 1~4地域:400万円/戸、5~8地域:300万円/戸 |
②内張り断熱 | 戸建:200万円/戸、集合:125万円/戸 |
③窓断熱(外窓) | 150万円/戸 |
※各補助金は応募期間が終了しているものがあるためご注意ください。
※詳細は公式情報をご確認ください。
断熱リフォーム支援事業
断熱リフォーム支援事業は、公益財団法人北海道環境財団による補助金制度です。省エネ効果(断熱性能)の向上を目的とするリフォーム工事に対して支援を行っています。
補助金の特徴
家全体の省エネ効果の上昇が15%以上見込まれる断熱リフォーム、もしくは居間を高性能な窓を用いて断熱するリフォームを行った場合に補助金が支給されます。
受給条件
以下のいずれかの条件に該当する方は、対象者となります。
- ❖ 戸建住宅または集合住宅の所有者、所有する予定のある方、賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらも可)
- ❖ 集合住宅全体の場合、管理組合等の代表者、賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらも可)
支給額
補助対象経費の3分の1以内の補助金が支給されますが、補助金の支給額の上限はリフォームの内容によって以下のように異なります。
リフォームの内容 | 補助金の支給額(上限) |
①戸建住宅 | 120万円/戸 |
②集合住宅(個別) | 15万円/戸 |
③集合住宅(全体) | 15万円/戸 |
また、上記の補助金の上限額には、玄関ドアのリフォームに対する5万円の補助金が含まれています。,000万円の資金が必要です。
※各補助金は応募期間が終了しているものがあるためご注意ください。
※詳細は公式情報をご確認ください。
長期優良住宅化リフォーム
断熱リフォーム支援事業は、国土交通省による補助金制度です。既存住宅の耐久性や省エネ性能の向上または子育てしやすい環境づくりへのリフォーム工事に対して支援を行っています。
補助金の特徴
リフォーム後の住宅性能が、以下のいずれかに該当するリフォームを行った場合に補助金が支給されます。
- ❖ 評価基準:認定基準には満たないものの、一定の性能確保が見込まれる
- ❖ 認定基準:長期優良住宅(増改築)認定を取得するための基準
事前にインスペクション(調査)を受けて指摘された箇所を修繕する必要があり、評価基準が高くなるほど受けられる補助金が大きくなります。
受給条件
以下の条件に該当する方、建物は補助金を受給できます。
- ❖ 戸建や集合住宅(専有部)の所有者、賃貸住宅管理者
- ❖ 戸建住宅は55㎡以上
- ❖ 共同住宅は40㎡以上
- ❖ 新耐震基準の住宅(昭和56年6月以降に着工)
- ❖ 新築後10㎡以上の増築をしていない
支給額
単価積み上げ方式または実際の工事費用の3分の1以内(少ないほう)の補助金が支給されますが、補助金の支給額の上限はリフォームの内容によって以下のように異なります。
リフォームの内容 | 補助金の支給額(上限) |
①評価基準型 | 100万円(150万円) |
②認定長期優良住宅型 | 200万円(250万円) |
40歳未満の若者世帯の工事や18歳未満の子どもがいる子育て世帯の工事などの一定の条件を満たす場合は、()内の上限金額が適用されます。
※各補助金は応募期間が終了しているものがあるためご注意ください。
※詳しい内容はこちらをご確認ください。
介護保険の高齢者住宅改修費用助成制度
介護保険の高齢者住宅改修費用助成制度は、厚生労働省による補助金制度です。介護施設や福祉用具の費用と同様に、リフォーム工事に対して支援を行っています。
補助金の特徴
要支援や要介護認定を受けている方は、いつでも申請できます。補助対象工事費用の7~9割、最大18万円の補助金が支給されます。ドアのみの改修の場合でも申請することが可能です。
受給条件
要支援または要介護認定されている方は、対象となります。また、以下の条件を満たした方は再利用することが可能です。
- ❖ 住む家が変わった
- ❖ 要介護度が3段階以上上がった
支給額
対象工事費用(上限20万円)の7~9割で、最大18万円の補助金が支給されます。
※詳しい内容は各市区町村でご確認ください。
各地方自治体の補助金
各地方自治体は、耐震、バリアフリー、エコ、省エネリフォームや子育て支援に補助金制度を設けています。各自治体で補助金の内容が異なるため、リフォーム工事を行う前に利用できる補助金がないか確認することをおすすめします。
※詳しい内容は各市区町村でご確認ください。
下記リンクから、地方公共団体が実施する住宅リフォーム支援制度を検索できます。
地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト(一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会)
子育てエコホーム支援事業
2024年度からは、こどもエコすまい支援事業の後継となる「子育てエコホーム支援事業」が始まっています。
詳しくはこちらをご覧ください。
目的別に見る玄関ドアリフォームで使える補助金
玄関ドアのリフォームで利用できる補助金が複数あることは分かりましたが、どの補助金を選ぶべきなのかは目的によって異なります。そのため、最適な補助金を選択するためにも、リフォームの目的が以下のいずれに該当しているのかを事前に把握しておくことが大切です。
- ❖ 断熱や省エネが目的
- ❖ 介護やバリアフリーが目的
- ❖ 機能性向上が目的
それぞれの目的別の補助金について詳しく説明していきます。
断熱や省エネが目的
玄関ドアのリフォームに関する補助金では、断熱や省エネを目的とするためのものが最も多いです。例えば、断熱タイプの玄関ドアに交換したり、新たに断熱タイプのドアを設置したりする場合に、補助金の対象となります。
以下の4つの補助金は断熱や省エネを目的としたものです。
- ❖ 次世代省エネ建材支援事業
- ❖ 断熱リフォーム支援事業
- ❖ 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- ❖ 子育てエコホーム支援事業
介護やバリアフリーが目的
バリアフリーのために玄関ドアを引き戸に変更する、車いすや歩行器でも通りやすいように玄関の間口を広く改修するといった介護やバリアフリーを目的とする玄関ドアのリフォームも補助金の対象です。
以下の2つの補助金は介護やバリアフリーを目的としたものです。
- ❖ 介護保険の住宅改修費
- ❖ 長期優良住宅化リフォーム推進事業
機能性向上が目的
防火性能や防犯性能の高い玄関ドアとの交換といったように機能性向上を目的とする玄関ドアのリフォームも補助金の対象です。
以下の4つの補助金は、断熱や省エネを目的としたものです。
- ❖ 次世代省エネ建材支援事業
- ❖ 断熱リフォーム支援事業
- ❖ 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- ❖ 子育てエコホーム支援事業
玄関ドアのリフォーム費用を抑える方法
補助金を利用できる場合でも、玄関ドアのリフォーム費用を抑えたいと考えている方も多いでしょう。以下のポイントを押さえておけば、玄関ドアのリフォーム費用を抑えることが可能です。
- ❖ 玄関ドアのグレードを見直す
- ❖ なるべくサイズや位置を変更しない
- ❖ 相見積もりを行う
- ❖ 費用を抑えたい旨を業者に伝える
それぞれの方法を詳しく解説していきます。
玄関ドアのグレードを見直す
玄関ドアのリフォーム費用は、交換する玄関ドアのグレードによって変化します。グレードを下げても問題が生じないのであれば、グレードを下げることで費用を抑えることが可能です。
ただし、グレードを下げたことで補助金の支給条件を満たさなくなる可能性もあるため、条件を確認しながら変更しても問題ないか決める必要があります。
なるべくサイズや位置を変更しない
玄関ドアのサイズや位置を変更する場合、リフォーム工事の工程が増えることによって費用が高くなります。そのため、費用を抑えたいのであれば、玄関ドアのサイズや位置を既存のままにするのも選択肢の1つです。
相見積もりを行う
リフォームの施工会社によって、リフォーム費用は違います。そのため、少しでも費用を抑えたいのであれば、複数社に見積もりを依頼することが大切です。見積書の内容を比較する際は、費用だけでなく、内容や実績も踏まえながら総合的に信頼できる施工会社を選択することも重要です。
費用を抑えたい旨を業者に伝える
リフォームの施工会社に、費用を抑えたい旨を伝えるのも効果的です。予算をどのくらいで想定しているのか、利用できる補助金はないかなどの意思表示をすれば、要望に合う価格帯や工事のプランの提案を受けることで費用負担を抑えられます。
補助金使用時の注意点
玄関ドアのリフォームにおいて補助金を利用する際は、不備があった場合に補助金を受けられなくなるため、以下の3つの点に注意が必要です。
- ❖ 申請のタイミング
- ❖ 補助金の併用
- ❖ 経験のある登録事業者を選ぶ
それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。
申請のタイミング
玄関ドアのリフォームで利用できる補助金制度の中には、申請のタイミングが契約前、工事前のように事前に申請を必要とするものも少なくありません。交付の決定前に契約、工事に着工すると、補助金を利用できない可能性があるので注意が必要です。
また、補助金制度によっては期限や予算が設けられており、期限の到来や予算を達成した場合は締め切られて補助金を利用できない可能性もあるため、申請のタイミングや最新情報を確認しておくことも忘れないようにしましょう。
補助金の併用
補助金は、併用できるものと併用できないものに分かれます。例えば、経済産業省と国土交通省の補助金では、管轄が異なるので併用できそうですが、財源が同じ「国」なので併用できません。一方で、国と地方自治体は財源が異なるため、併用できるのが一般的です。
お得に玄関ドアのリフォームを実施するためにも、単独と併用のどちらがお得な方法なのかをよく考えてから申請することが大切です。
経験のある登録事業者を選ぶ
工事を実施する施工会社が制度の事業者として登録していないと、申請できない補助金もあります。そのため、トラブルを未然に防ぐためにも、登録している事業者かどうかを確認しなくてはなりません。
補助金の申請経験が豊富な事業者であれば、不備なく手続きがスムーズに進むため、安心して依頼できます。
補助金活用で玄関ドアのリフォーム費用をおさえよう
玄関ドアのリフォームにかかる費用負担を少しでも抑えるためには、補助金の利用が有効です。しかし、利用できる補助金にはいくつか種類があり、目的によって最適な補助金が異なるため、どれを選ぶべきなのか悩んでいる方も多いでしょう。
最適な補助金を選択し、不備なく手続きを完了させて、お得に玄関ドアのリフォームを行うには、経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。
補助金に関することなら、LIXIL不動産ショップにご相談下さい
LIXIL不動産ショップでは、LIXIL の最新設備や利用可能な補助金の情報、住宅の資金計画などをワンストップでサポート。リフォームに関するご相談は全国のLIXIL不動産ショップまでご相談ください。
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玄関ドアのリフォーム工事は一部のリフォーム工事ではあるものの、比較的費用を抑えられるカバー工法でも30~50万円の費用がかかります。
費用負担を軽減するには補助金の利用が不可欠ですが、補助金にはいくつか種類があり、目的によって最適な補助金が異なるので、違いを理解しておくことが大切です。
経験豊富な施工会社であれば、補助金をうまく活用したお得なリフォーム方法の提案を受けられるほか、不備なくスムーズに手続きが進む可能性が高いため、慎重に施工会社を選ぶことも重要なポイントです。
この記事の監修者
新井智美 / トータルマネーコンサルタント
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員の資格を保有。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。