【2024年版】断熱リフォームで使える補助金はこれ!注意点とポイントも解説します

公開:
2024.07.30
更新:
2024.08.09

断熱リフォーム

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【2024年版】断熱リフォームで使える補助金はこれ!注意点とポイントも解説します

断熱リフォームには多額の費用がかかるため、少しでも費用負担を抑えたいと考えている方も多いでしょう。費用を抑えるために補助金を利用する方法もありますが、補助金を利用するにあたっては要件を満たさなければならないため、仕組みを理解しておくことが大切です。

この記事では、断熱リフォームにいくらかかるのか、利用できる補助金、利用時の注意点などについて解説します。断熱リフォームを行う際に補助金を利用したいという方は、ぜひ参考にしてください。

断熱リフォームはいくらかかかる?

断熱リフォームはいくらかかかる?

断熱リフォームを検討している方の中には、どのくらいの費用がかかるか気になっている方も多いでしょう。予算オーバーに陥るといったトラブルを回避するためにも、事前におおよその相場を把握しておくことが大切です。

一般的な断熱リフォームと、非破壊工法による断熱リフォームの費用相場を見ていきましょう。

一般的な断熱リフォームの費用相場

断熱リフォームと聞くと、断熱性能を高めるだけの工事を想像する方も多いのではないでしょうか。しかし、断熱リフォームは壁や床の破壊といったように規模の大きな工事となるため、間取りの変更や水回りの設備を一新するといった他の工事と一緒に行うケースが多くみられます。

一般的な断熱リフォームの費用相場および工期は以下の通りです。

一般的な断熱リフォーム 80㎡ 100㎡
工事費用 約300万円 約350万円
その他費用 約100万円 約100万円
総工費 約400万円  約450万円
工期 約7日 約7日

リフォーム工事の規模によって費用が異なります。また、使用する設備や素材のグレードによっては、上記よりも費用が高額になる場合があるので注意してください。

「非破壊工法」による断熱リフォームの場合

非破壊工法とは、屋根裏や床下に作業員がもぐりこんで断熱工事を行う工法です。一般的な断熱リフォームは破壊を伴うので間取りの変更や水回りの設備を一新させる工事とともに行いますが、非破壊工法ではそれらの工事を行わないので費用負担を抑えられます。

非破壊工法による断熱リフォームの費用相場および工期は以下の通りです。

一般的な断熱リフォーム 80㎡ 100㎡
工事費用 約160万円 約190万円
その他費用 なし なし
工期 約4日 約4日

工事内容が少なくなることで一般的な断熱リフォームよりも工期を短縮できるのもメリットです。

玄関ドアのリフォームの費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

玄関ドアリフォーム補助金の活用とコスト削減のポイントをご紹介

【2024年】断熱リフォームで使える補助金

【2024年】断熱リフォームで使える補助金

断熱リフォームでは補助金を利用することで費用負担を抑えることが可能です。しかし、補助金の内容は各年度で異なるほか、リフォームの内容によっては補助金を利用できない可能性があるので注意が必要です。

常に最新の情報を入手し、補助金を利用できるか確認してからリフォームを実施しましょう。

2024年の補助金について

2023年は最大245万円の補助金を受け取ることができた『住宅省エネ2023キャンペーン』事業により、お得にリフォームを実施できました。2024年も大型補助金が継続されることになっているため、本年もリフォームをお得に実施できる状況となっています。

しかし、申請したからといって必ず補助金を受けられるとは限りません。2023年の補助金は人気で申請が殺到したこともあり早期に終了した制度が多数ありました。2024年の補助金を確実に受けるためにも早めに準備しましょう。

『住宅省エネ2024キャンペーン』についてはこちらをご覧ください

令和5年度補正予算案に「住宅省エネ2024キャンペーン」の各事業が盛り込まれました(国土交通省)

子育てエコホーム支援事業

子育てエコホーム支援事業は、『こどもエコ住まい支援事業』の後継です。契約書の日付は問わず、着工日が2023年11月2日以降であることが要件とされています。また、申請開始は2024年3月以降である点にも注意が必要です。

補助金の概要や特徴

子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格などの物価の高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者世帯が高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修などを実施した際に利用できる補助金です。

受給条件

リフォームで補助金を受ける場合は、以下の要件を満たす必要があります。

  • ❖ 【必須】住宅の省エネ改修
  • ❖ 【任意】住宅の子育て対応改修
  • ❖ 【任意】防災性向上改修
  • ❖ 【任意】バリアフリー改修
  • ❖ 【任意】空気清浄機能・換気機能付きエアコン設置工事等

支給額

支給額は以下の通りです。

世帯の属性 既存住宅購入・長期優良住宅の有無 1戸あたりの上限補助額
子育て世帯または
若者夫婦世帯
既存住宅を購入しリフォームを行う場合 60万円
長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 45万円
上記以外のリフォームを行う場合 30万円
その他の世帯 長期優良住宅の認定(増築・改築)を受ける場合 30万円
上記以外のリフォームを行う場合 20万円

参照元:住宅の省エネ化への支援強化に関する予算案を閣議決定! | 国土交通省

断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業

断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業は、『先進的窓リノベ事業』の後継です。契約書の日付は問わず、着工日が2023年11月2日以降であることが要件とされています。また、申請開始は2024年3月以降である点に注意が必要です。

補助金の概要や特徴

断熱窓への改修を促進し、既存住宅の省エネ化を促進することによって、エネルギー費用負担の軽減や健康で快適な暮らしの実現、家庭からのCO2排出削減に貢献するとともに、断熱窓の生産効率向上による関連産業の競争力強化と成長の実現を目的とする補助金です。

受給条件

高い断熱性能を持つ窓への改修に関連する費用の1/2相当を定額補助(上限200万円)します。以下のような窓の工事が補助対象です。

  • ❖ 内窓設置
  • ❖ 外窓交換
  • ❖ ガラス交換

※高性能な断熱窓(Uw値1.9以下等)へのリフォーム

支給額

定額補助となっており、具体的には戸建住宅・低層集合住宅では以下のような補助金が支給されます。

グレード 大きさの区分
大(2.8㎡~) 中(1.6~2.8㎡) 小(1.6㎡未満)
内窓設置 SS 112,000 76,000 48,000
S 68,000 46,000 29,000
A 52,000 36,000 23,000
外窓交換
(カバー工法)
SS 220,000 163,000 91,000
S 149,000 110,000 74,000
A 117,000 87,000 58,000
(円。施工箇所1箇所あたり)

参照元:断熱窓への改修促進等による住宅の省エネ・省CO2加速化支援事業(先進的窓リノベ事業)について | 環境省

既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業(新規)

『既存賃貸集合住宅の省エネ化支援事業』は2024年度に新規に設置された補助金です。契約書の日付は問わず、着工日が2023年11月2日以降であることが要件とされています。また、申請開始は2024年3月以降である点に注意が必要です。

なお、後述する高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金と同様、断熱リフォームの補助金ではありません。

補助金の概要や特徴

設置スペース等の都合から、ヒートポンプ給湯器等の導入が難しい既存賃貸集合住宅向けに、小型の省エネ型給湯器(エコジョーズ等)の導入を促進することで、計画省エネ量の達成に向けた取り組みを加速させるほかエネルギーコストの上昇に強い社会の構築につなげることを目的とした補助金です。

受給条件

既存賃貸集合住宅にて一定の基準を満たしたエコジョーズまたはエコフィールに取り換える場合、機能ごとに設けられた定額の支援を受けられます。ただし、従来型給湯器からの取り換えに限られている点に注意してください。

支給額

補助金は取り換える給湯器によって以下のように異なります。

  • ❖ 追い焚き機能なしエコジョーズ/エコフィールへの取り換え:5万円/台
  • ❖ 追い焚き機能ありエコジョーズ/エコフィールへの取り換え:7万円/台

参照元:住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案が閣議決定されました | 経済産業省

高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金

『高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金』は住宅省エネ2024キャンペーンに含まれていますが、断熱リフォームで利用できる補助金ではありません。

補助金の概要や特徴

家庭の最大のエネルギー消費源である給湯器の高効率化でエネルギーコスト上昇への対策を図ることに加え、再エネ拡大に伴う出力制限対策や、寒冷地において高額な光熱費の要因となっている設備を一新する必要性の高まりに対して対策を重点的に措置することを目的とする補助金です。

受給条件

以下のような高効率給湯器を設置した場合には補助金が支給されます。

  • ❖ ヒートポンプ給湯器(エコキュート)
  • ❖ 家庭用燃料電池(エネファーム)
  • ❖ ハイブリッド給湯器

支給額

補助金は取り換える給湯器によって以下のように異なります。

  • ❖ ヒートポンプ給湯器(エコキュート):10万円/台
  • ❖ 家庭用燃料電池(エネファーム):13万円/台
  • ❖ ハイブリッド給湯器:20万円/台

また、蓄熱暖房機や電気温水器などを撤去する場合は蓄熱暖房機で10万円、電気温水器で5万円の追加補助を受けられる場合があります。

参照元:住宅の省エネ化の支援強化に関する予算案が閣議決定されました | 経済産業省

各地方自治体の補助金

国だけでなく、各地方自治体も断熱リフォームに対して補助金を支給している場合があります。国の補助金の対象外でも各地方自治体の補助金だと利用できますし、国の補助金の対象の場合なら、併用すればさらに費用負担を減らせる可能性があります。

例年1月には補助金の詳細が発表されるので居住地の自治体の補助金制度を確認してみましょう。

※詳しい内容は各市区町村でご確認ください。

下記リンクから、地方公共団体が実施する住宅リフォーム支援制度を検索できます。

地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト|一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会

補助金を利用する際の4つの注意点

補助金を利用する際の4つの注意点

補助金を利用してお得に断熱リフォームを実施するには、以下の点に注意が必要です。

  • ❖ 2023年制度との併用はできない
  • ❖ 補助対象は重複できない
  • ❖ 工事完了時期に注意
  • ❖ 施工業者が登録業者であること

それぞれの注意点について詳しく説明していきます。

1.2023年制度との併用はできない

2023年制度と2024年制度の両方を併用すれば、さらにお得にリフォームできると考えた方も多いでしょう。しかし、同じ工事に対して2023年制度と2024年制度を併用することはできません。

工事内容が重複しない場合は併用できる可能性はありますが、各制度の上限額を超えての申請はできないので注意しましょう。

2.補助対象は重複できない

住宅省エネ2024キャンペーンでは4つの補助金を用意しています。しかし、同じ工事に対して複数の補助金を併用することはできません。

1つの契約に対して最大4つの補助金を申請できる一方、同じ工事に対しては重複申請が認められていないのでどの補助金制度を利用するかしっかりと考えてから申請するようにしてください。

3.工事完了時期に注意

補助金を利用してリフォームを実施する場合は、工事完了後に申請をします。住宅省エネ2024キャンペーンの申請時期は2024年3月以降となっているものの、申請の終了時期については公表されていません。

2023年制度の申請の終了時期が12月末だったことを踏まえると2024年も同時期になると考えられます。工事が申請の終了時期までに完了していない場合は補助金制度を利用できませんので、申請終了時期に間に合うように余裕をもってリフォームを進めましょう。

4.施工業者が登録業者であること

補助金の申請は、基本的に施工業者が行います。どの施工業者でも申請できるわけではなく、キャンペーンに登録している施工業者に限られているので注意が必要です。

工事を依頼する際は、住宅省エネ2023キャンペーンに登録済、もしくは住宅省エネ2024キャンペーンに登録している施工業者かどうかを確認してから依頼しましょう。

補助金活用で断熱リフォームを実現しよう!

補助金活用で断熱リフォームを実現しよう!

断熱リフォームにかかる費用を少しでも抑えるには、補助金制度の活用をおすすめします。しかし、補助金は対象者や受給条件などが非常に複雑で、どの補助金を利用できるのか、いつまでにリフォームを依頼すべきか分からないという方も多いでしょう。

上手に活用してお得に断熱リフォームするためにも、自分だけで悩まず専門家に相談しましょう。

補助金に関するご相談なら、LIXIL不動産ショップへ

LIXIL不動産ショップでは、リフォームに関する悩み事をワンストップでサポート。

LIXILの最新設備はもちろん、断熱に関する補助金の情報や住宅資金についてなど、リフォームに関するご相談は全国のLIXIL不動産ショップまでご相談ください。

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まとめ

一般的な断熱リフォームは、壁や床の破壊などを含む規模の大きな工事となるため、間取りの変更や水回りの設備を一新するといった他の工事とともに行うことが多いです。そのため、百万円以上の費用がかかることも珍しくありません。逆に非破壊工法による断熱リフォームであれば破壊せずに作業を進められるため、費用負担を抑えることが可能です。

断熱リフォームには多額の費用がかかるため、少しでも費用負担を軽減するには補助金の利用が欠かせません。しかし、補助金は対象者や受給条件が複雑であるため、事前に調査をしっかり行う必要があります。

確実に補助金を利用して、費用負担を抑えながらお得に断熱リフォームを行うためにも、信頼できる専門家に相談しながら断熱リフォームを進めましょう。

この記事の監修者

新井智美 / トータルマネーコンサルタント

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員の資格を保有。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。