失敗しないマンションリフォーム。費用相場やよくあるトラブルも解説

公開:
2024.07.30
更新:
2024.08.09

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失敗しないマンションリフォーム。費用相場やよくあるトラブルも解説

マンションのリフォームは戸建とは違い、工事内容の制約を受けます。リフォームに関するトラブルを回避するためにも、事前にリフォームが可能なのか、また、費用はどのくらいかかるのかを把握しておくことが大切です。

この記事では、マンションリフォームの工事可能範囲はどこまでなのか、大まかな費用・相場、スムーズに進めるためのポイント、よくあるトラブル・失敗などを解説します。マンションのリフォームについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。

なお、マンションのリフォームのお悩みは専門家に相談することをおすすめします。LIXIL不動産ショップやLIXILショールームに相談しましょう。

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マンションのリフォームはどこまで出来る?

マンションのリフォームはどこまで出来る?

戸建住宅は、自由にリフォームできます。しかし、複数の住戸が1つに集まる集合住宅であるマンションでは、リフォームできる範囲が一部制限されるので注意が必要です。

リフォームによるトラブルを回避するためにも、事前にどこまでリフォームできるか確認しておきましょう。

「専有部」は基本的にリフォーム可能

マンションは専有部(専有部分)と共用部(共用部分)に区分されます。専有部とは、マンションの所有者の居住スペース(個別)のことで、玄関ドアの内側から窓サッシの内側までです。

専有部については原則自由にフォームすることが可能です。しかし、玄関ドアそのものや窓ガラスそのもの、窓の外のバルコニーなどは、専有部に含まれず共用部として扱われるのでリフォームできないことに注意してください。

「共用部」はリフォームできない

共用部とは、マンションの所有者の全員が共同で使用するスペースです。エントランス、廊下、エレベータ、駐車場、階段などは共用部に該当し、個人の判断ではリフォームできません。

先に触れた通り、玄関ドアそのものや窓ガラスそのもの、窓の外のバルコニーなどは、個別の居住スペースに関連するものではあるものの共用部として扱われます。そのため、基本的に独断でリフォームはできません。

構造体になっている壁は壊せない

リフォームの実施にあたり壁を取り壊して間取りを変更したいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、マンションの構造体になっている壁を取り壊すことはできません。

マンションの構造体には、ラーメン構造と壁式構造があります。ラーメン構造は梁と柱で全体を支えるため、柱を減らすことで広い空間を確保することが可能です。しかし、壁式構造は外壁や内壁で全体を支えるため、構造上取り壊すことができない可能性があります。

このように専有部であってもリフォームが制限される場合があるので注意が必要です。

水回りの移動は制限されることがある

水回りの移動についても一部制限される可能性があります。キッチンやお風呂などの給水管や排水管といった配管を伴う設備については、配管の勾配を確保するといった理由から移動が制限されることも少なくありません。

また、マンションごとに独自の制限を設けている場合がありますので、各マンションで作成されている管理規約を事前に確認しておきましょう。

マンションリフォームの大まかな費用・相場

マンションリフォームの大まかな費用・相場

マンションのリフォームにかかる費用は、どのようなリフォームをするかによって異なります。また、リフォーム会社各社で費用が異なるため、大まかな相場を把握しておくことをおすすめします。

リフォーム内容ごとの費用について、詳しく見ていきましょう。

水回りのリフォーム費用

水回りのリフォームには、以下のような項目が挙げられます。

  • ❖ キッチン
  • ❖ 浴室
  • ❖ 洗面室
  • ❖ トイレ

キッチン 50万〜300万

キッチンの大まかなリフォーム費用は、50~300万円程度です。キッチンのリフォームといっても、キッチンの交換だけであれば50~150万円程度で済みます。

壁付けのシステムキッチンからアイランド型に変更といったレイアウト変更を伴うリフォームについては配管工事や他の部屋を含めた内装工事が必要となり、その場合は工事費用が300万円程度と高額になることもあるので予算内に収まるかどうか確認しておきましょう。

浴室 100万〜200万

浴室の大まかなリフォーム費用は、100~200万円程度です。浴室のリフォーム内容は、給湯器の交換とユニットバスの交換に区分されます。ユニットバスの交換のみでは100~150万円程度の費用がかかりますが、給湯器の交換も含む場合は200万円程度と費用負担が大きくなるので注意が必要です。

洗面室 10万~50万円

洗面室の大まかなリフォーム費用は10~50万円程度です。洗面台の交換だけであれば10万円台で済みますが、洗面台にあわせて床や壁も交換する場合は、50万円程度を想定しておくと安心です。

トイレ 10万~40万円

トイレの大まかなリフォーム費用は、10~40万円程度です。本体(温水洗浄便座・便器)の交換だけの場合だと10万円程度で済みます。しかし、本体の交換にあわせて床や壁も交換する場合、40万円程度になるでしょう。また、マンションの水圧によってはタンクレスなど希望のタイプの本体に交換できない場合もありますので、事前に調査を行うことも忘れないようにしてください。

水回りのリフォーム費用はリフォームの範囲だけでなく、設備のグレードによっても変化します。グレードの高い設備を導入する場合は、上記よりも費用が高額になる可能性があるので注意しましょう。

内装のリフォーム

内装のリフォームには、以下のような項目が挙げられます。

  • ❖ クロス(壁紙)の張り替え
  • ❖ フローリングの張り替え

クロス(壁紙)の張り替え 40万~70万円

クロス(壁紙)の張り替えにかかる大まかなリフォーム費用は、40~70万円です。クロスの張り替えの場合は、張り替える面積、使用するクロスのグレードによって価格が大きく変動します。2LDKの広さで40~60万円、3LDKで45~70万円程度がひとつの目安です。

フローリングの張り替え 60万~85万円

フローリングの張り替えにかかる大まかなリフォーム費用は、60~85万円です。クロスの張り替えの際と同様、張り替える面積、使用するフローリングのグレードによって価格が変動します。60㎡で60~70万円、70㎡で75~85万円がひとつの目安です。

フローリングの張り替えにかかる費用を少しでも抑えたい場合は、床材を重ねる上張りという方法が有効です。しかし、厚みが出ることによってドアの開閉に支障が生じる可能性があるので慎重に選ぶようにしましょう。

内装リフォームの需要が多いリビングのリフォーム費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

後悔しないリビングリフォームのポイント。費用相場や事例もご紹介

フルリフォーム(スケルトンリフォーム)

フルリフォームはスケルトンリフォームとも呼ばれており、複数の工事を同時に実施しながら、リフォームや間取りの変更を伴う大規模なリフォームなどを指します。

リフォームは複数回に分けて部分的に実施するよりもまとめて実施することによって以下のように費用負担を抑えられるケースが多いです。また、工期も短く済ませることができるでしょう。

予算 リフォーム内容 費用相場
300万円以内 水回り中心
・水回りのリフォーム
・クロスの張り替え
250~300万円
500万円以内 間取り変更を伴うリフォーム
・水回りのリフォーム
・クロスの張り替え
・フローリングの張り替え
・間取り変更
350~450万円
500万円以上 フルリフォーム
・内装の全体的なやり直し
・給排水管の更新
650~1,250万円
              

リフォームをスムーズに進めるポイントは?

リフォームをスムーズに進めるポイントは?

リフォームをトラブルなくスムーズに進めるには、以下のポイントを押さえておくことが大切です。

  • ❖ リフォームしたい箇所を明確にする
  • ❖ 優先順位を決めておく
  • ❖ 予算を決めておく

それぞれのポイントを詳しく解説していきます。

リフォームしたい箇所を明確にする

リフォームを実施する際は、まずどこのリフォームをしたいのかを明確にする必要があります。

例えば、水回りのリフォームを実施する場合でも、キッチンのリフォームなのか、浴室のリフォームなのかで異なります。また、部分的なリフォームなのか、壁や床などを含めた全体的なリフォームなのかもあらかじめ明確にしておくことが大切です。

現在の不満な点をすべて洗い出してリフォームしたい箇所を明確にするほか、リフォームが可能な箇所なのかも確認しておきましょう。

優先順位を決めておく

リフォームしたい箇所を明確にする際、必要以上に多く書き出してしまい、予算をオーバーするということも少なくありません。そのため、優先順位を決めておき、予算内に収められるようにすることも大切です。

例えば、リフォームが必須の箇所、予算に余裕がある場合に行う箇所と優先順位をあらかじめ決めておけば、予算内で納得いくリフォームを実施できるでしょう。

予算を決めておく

予算をオーバーした場合は、リフォームしたい箇所を明確にする、優先順位を決めるといった工程を最初からやり直さなくてはなりません。無駄な時間と手間を省くためにも予算を事前に決めておくことも大切です。

予算の上限を決めておくことによって想定外の費用が発生した場合にも対応できますし、リフォーム会社との打ち合わせもスムーズに進むでしょう。

リフォーム全体のことに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

リフォーム費用の相場は?費用の抑え方や後悔しないコツも解説

マンションリフォームでよくあるトラブル・失敗

マンションリフォームでよくあるトラブル・失敗

マンションのリフォームでは、準備や知識不足が原因で何かしらのトラブル・失敗に至る可能性があります。トラブル・失敗を未然に防ぐためにも、以下の事項を確認しておくことが大切です。

  • ❖ 管理組合への届出は必要か
  • ❖ 住みながらの工事か、仮住まいが必要か
  • ❖ ご近所への挨拶はしておく

それぞれの事項を詳しく説明していきます。

管理組合への届出は必要か

マンションの所有者の居住スペースである専有部は、特に許可なく自由にリフォームできると考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、多くのマンションでは、リフォーム工事の前に管理組合・管理会社への申請を必要としています。

申請はリフォーム実施の1か月前までとするケースも多いため、マンションの管理規約を見て、事前に申請が必要か、いつまでに申請が必要なのかも申請に必要な書類の有無もあわせて確認しておきましょう。

住みながらの工事か、仮住まいが必要か

部分的なリフォームの場合は、住みながら工事を進めることが可能です。しかし、間取りの変更や複数箇所の工事を同時に進行するような大掛かりな工事の場合は、住みながら工事を進めることは困難です。

その場合は、騒音や不便さを回避するために仮住まいを確保する必要があります。仮住まいが必要な場合は、物件を探す手間がかかるほか、仮住まいを借りている間の住居費が発生するのでリフォーム予算に含めておきましょう。

ご近所への挨拶はしておく

マンションは集合住宅で、隣や上下階に壁や床、天井などで接しています。そのため、リフォーム工事の際は騒音トラブルが発生しないように配慮しなくてはなりません。

ご近所とのトラブルを未然に防ぐためにもリフォームを行う際は、事前にご近所へ挨拶を済ませておくことをおすすめします。

マンションのリフォーム事例紹介

マンションのリフォーム事例紹介

マンションのリフォームにおいて、どのようなプランがあるか気になっている方も多いのではないでしょうか。LIXIL不動産ショップのリフォームの事例を見ていきましょう。

LDKを中心に全面リフォーム

LDKを中心に全面リフォーム

施工費 600万円
築年数 21年
広さ 109.72㎡
構造 鉄骨

中古物件で水回りの一式をリフォームしたい、限られた予算内で自然素材を使った内装にしたいという要望を踏まえ、全ての部屋を珊瑚が入った塗り壁に仕上げた事例です。クロスの上から塗ることができる塗り壁で、施工効率・コスパを向上させることができました。また、全水回りと和室の床を無垢に変更しました。

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間取り変更で個性派ワンルームに

間取り変更で個性派ワンルームに

施工費 4,500,000円
築年数 31年
広さ 46.58㎡
構造 RC

LDKを中心に全面リフォームした事例です。約14坪の2DKとコンパクトな1室でしたが、対象者を単身~カップル向けに1ルームのデザイナーズマンション風にリフォームしました。間仕切りは全て撤去し、開放感であふれています。照明の配置にも工夫し、温かみのある印象が特徴です。

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リフォーム費用を少しでも抑えるために

リフォーム費用を少しでも抑えるために

マンションのリフォームは高額になることも多いため、フルリフォームだけでなく、部分的なリフォームでも上手に費用を抑えることが大切です。

補助金を利用すれば費用負担を少しは抑えられますが、申請条件を満たす必要があるほか、手続きが複雑なので、専門家のサポートが欠かせません。信頼できる専門家に相談し、少しでも費用負担を抑えましょう。

補助金のことならLIXIL不動産ショップにご相談下さい

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LIXILの最新の設備や補助金に関する情報、住宅資金についてなど、リフォームに関するご相談は全国のLIXIL不動産ショップまでご相談ください。

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まとめ

マンションの場合、基本的に専有部は自由にリフォームできますが、共用部は独断でリフォームできません。また、専有部も一部リフォームが制限されるケースや、リフォーム前に申請が必要になるケースもあるため、管理規約を確認しておきましょう。

リフォーム費用は、工事内容や範囲(規模)によって異なります。また、変更する設備のグレードによっても変化するので注意が必要です。

トラブルを防ぐためにも工事範囲、優先順位、予算などを明確にし、計画をしっかり立ててからリフォームに取り掛かりましょう。

この記事の監修者

新井智美 / トータルマネーコンサルタント

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員の資格を保有。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。