天井リフォームの種類と費用相場。注意点や事例もご紹介
- 公開:
- 2024.10.31
- 更新:
- 2024.10.31
リビングリフォーム
リフォームを検討されている方の中には、天井の汚れや劣化が気になっている方もいるのではないでしょうか。天井リフォームは室内の印象を大きく変える効果的な方法です。適切なリフォームを行えば、見た目の改善だけでなく、断熱性や防音性の向上など機能面でのメリットも得られます。
この記事では、天井リフォームを考えるタイミングや種類、費用相場、注意点などについて詳しく解説します。また、実際のリフォーム事例もご紹介しますので、自宅のリフォームの参考にしてください。特にこれから具体的なリフォームを考えている方はぜひ最後までお読みください。
LIXIL不動産ショップでは、天井や床のリフォームから中古物件の購入まで相談可能です。
実際のリフォーム事例を複数掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
CONTENTS
天井リフォームを考えるタイミングとは?
天井リフォームは、いつ頃検討すべきなのでしょうか。実は、日々の生活の中で気づくいくつかのサインが、リフォームのタイミングを教えてくれています。ここでは、天井リフォームを考えるべき主な3つのケースについて解説します。
- ❖ 天井の汚れが目立つ
- ❖ 雨漏りがする
- ❖ 穴が開いているなど破損が見られる
なお、一般的に築10年を経過すると、水まわり設備の劣化や故障、外壁の修繕といったリフォームが必要になってくるといわれています。15年~20年を経過すると、より大規模なリフォームが必要なケースもあるので、築年数もリフォームを考える目安にしてみてください。
1. 天井の汚れが目立つ
天井に汚れや劣化が目立つようになってきたら、リフォームを考えるべきタイミングです。長年の生活で付着したホコリやタバコのヤニ、経年劣化による黄ばみなどが原因で、天井が汚れてしまうことがあります。
特に注意が必要なのは、一度汚れてしまった天井は掃除が難しいという点です。天井は高い位置にあり、日常的に手が届かないため、普段のお手入れが行き届きにくい場所です。そのため、汚れが蓄積されると、簡単には落とせなくなってしまいます。
天井の汚れは室内全体の印象を悪くするだけでなく、カビの発生など衛生面でも問題になる可能性があります。汚れが目立つようになったら、クロスの張り替えや塗装など、適切なリフォーム方法を検討しましょう。
2. 雨漏りがする
雨漏りが発生している場合は、早急にリフォームを検討する必要があります。雨漏りは単に天井を濡らすだけでなく、建物の構造自体にダメージを与える深刻な問題です。
雨漏りを放置すると、天井材や木部の腐食がさらに進行し、最終的には天井が落下する危険性もあります。これは住人の安全を脅かす重大な事態です。また、雨漏りによって天井が濡れると、カビの発生リスクも高まります。
雨漏りを発見したら、原因を特定し、適切な防水処理を施すとともに、損傷した天井部分のリフォームを行うことが重要です。安全性の観点からも、雨漏りは発見次第、速やかにリフォームを実施すべき症状といえるでしょう。
3. 穴が開いているなど破損が見られる
天井に穴が開いていたり、大きな破損が見られたりする場合も、リフォームを考えるべきタイミングです。天井の破損は見た目の問題だけでなく、住宅の機能性にも影響を与えます。
例えば、天井に穴が開いていると、冷暖房の効率が悪くなります。冷気や暖気が天井裏に逃げてしまい、エネルギーの無駄遣いにつながるのです。また、天井裏の断熱材が露出することで、断熱効果が低下する可能性もあります。
さらに、破損箇所から雨水や結露の水分が侵入し、カビの発生や木材の腐食を引き起こす恐れもあります。見た目の悪さだけでなく、これらの機能面での問題を防ぐためにも、天井に破損が見られたら早めのリフォームを検討しましょう。
小さな破損であれば、業者による部分的な補修で対応できる場合もありますが、破損の程度や範囲によっては天井全体の張り替えが必要になることもあります。専門家に相談して、最適なリフォーム方法を選択することが大切です。
天井をリフォームするメリット
天井リフォームには、見た目の改善だけでなく、生活の質を向上させるさまざまなメリットがあります。ここでは、天井リフォームによって得られる主な2つのメリットについて詳しく解説します。
- ❖ 部屋の見た目の改善
- ❖ 機能性の改善
それぞれのメリットについて、具体的に見ていきましょう。
1. 部屋の見た目の改善
天井リフォームのメリットのひとつは、部屋の見た目が大きく改善されることです。天井は部屋の面積の中でも大きな割合を占めているため、その状態が室内全体の印象に大きく影響します。
汚れや破損のある天井をリフォームすることで、室内が明るく清潔な印象に生まれ変わります。例えば、黄ばんだ天井を白い壁紙に張り替えるだけで、部屋全体が明るくなったように感じられるでしょう。また、クロスの材質や色、柄を変えることで、部屋の雰囲気を一新することもできます。
例えば、木目調の天井材を使用すれば温かみのある落ち着いた空間に、モダンなデザインのクロスを選べばスタイリッシュな雰囲気が演出できます。
2. 機能性の改善
天井リフォームは見た目の改善だけでなく、住まいの機能性も向上させることができます。特に、断熱性や防音性の改善は、生活の質を大きく変える可能性があります。
断熱性の向上は、冷暖房効率の改善につながります。天井裏に適切な断熱材を施工することで、夏は涼しく、冬は暖かい快適な室内環境を実現できるでしょう。その結果エネルギー消費量を抑えることができ、光熱費の節約にもつながります。
防音性の改善も重要なメリットです。マンションなどの集合住宅では、上階からの生活音が気になることがあるかもしれません。天井リフォームの際に防音材を使用することで、こうした音を軽減し、より静かで落ち着いた空間が作れます。
また、最近では消臭効果や調湿機能を持つ天井材も登場しています。これらの機能性天井材を使用することで、室内の空気環境を改善し、より健康的な住まいを実現できるのです。
天井リフォームの種類と費用
天井リフォームには、様々な方法があります。それぞれの方法によって特徴や費用が異なりますので、家の状況や予算に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。ここでは、主な天井リフォームの種類とその費用相場について解説します。
- ❖ クロスの張り替え
- ❖ 塗装リフォーム
- ❖ 板張りリフォーム
- ❖ 直天井リフォーム
これらの方法について、それぞれのメリット・デメリットや費用相場を詳しく見ていきましょう。
1. クロスの張り替え
クロスの張り替えは、最も一般的な天井リフォームの方法です。既存の天井クロスを剥がし、新しいクロスを貼り付けることで、天井の見た目を一新します。
メリットとデメリット
クロスの張り替えの主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・工期が短く、比較的低予算で実施できる |
・根本的な構造変更はできない |
クロスの張り替えは、短期間で部屋の印象を大きく変えられる手軽な方法です。しかし、天井の構造自体を変更することはできないため、大幅な機能改善を求める場合は他の方法を検討しなければなりません。
費用相場
クロスの張り替えにかかる費用は、使用する素材や施工面積によって変わりますが、一般的な目安として以下のようになります。
- ❖ 6畳程度の部屋:3〜5万円
- ❖ 12畳程度の部屋:8〜15万円
高機能なクロスを使用したり、下地の補修が必要な場合は、費用が高くなる可能性があります。また、DIYで行う場合はさらに費用を抑えられますが、仕上がりの質や耐久性に差が出る可能性にも注意が必要です。
2. 塗装リフォーム
塗装リフォームは、天井に直接塗料を塗ることで仕上げる方法です。一般的なペンキのほか、漆喰や珪藻土などの自然素材も使用できます。
メリットとデメリット
塗装リフォームの主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・色や質感の自由度が高い |
・ペンキの場合、塗装時の臭いが強い |
塗装リフォームは、色や素材にこだわりたい場合におすすめです。特に自然素材を使用すれば、独特の風合いと機能性を両立できるでしょう。ただし、塗装の種類によっては耐久性や施工後の注意点に違いがあるため、事前によく確認する必要があります。
費用相場
塗装リフォームの費用は、使用する塗料や施工面積によって大きく変わります。以下に挙げるのは、一般的な目安です。
- ❖ ペンキ塗装(6畳程度):2〜3万円
- ❖ 漆喰・珪藻土塗装(6畳程度):5〜10万円
漆喰や珪藻土は材料費が高く、施工にも技術を要するため、一般的なペンキ塗装より高額です。ただし、その分、調湿効果や独特の質感などの付加価値が得られます。既存の天井がクロスや木材の場合は、下地処理のための追加費用が必要になる場合がありますので注意しておきましょう。
3. 板張りリフォーム
板張りリフォームは、天井に木材を張り付けて仕上げる方法です。素材には、無垢材、天然木化粧合板、プリント合板などがあります。
メリットとデメリット
板張りリフォームの主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・高級感と温もりのある空間を演出できる |
・他の方法に比べて施工費用が高くなりやすい |
板張りリフォームは、本格的な空間づくりを目指す場合におすすめです。ただし、コストと施工の難易度が高いため、専門業者に依頼することが一般的です。プリント合板を使用すれば、天然木に比べてコストを抑えつつ、木目調の仕上がりを実現できます。
費用相場
板張りリフォームの費用は、使用する木材の種類や施工面積によって大きく変わります。以下は一般的な目安額です。
- ❖ プリント合板(6畳程度):7〜10万円
- ❖ 天然木化粧合板(6畳程度):10〜15万円
- ❖ 無垢材(6畳程度):15〜30万円
高級な無垢材を使用する場合は、さらに高額になる可能性があります。既存の天井の状態や下地の補強が必要な場合も、追加の費用が発生するケースが多いため注意しておきましょう。
4. 直天井リフォーム
直天井リフォームは、二重天井の表面を取り除いて、天井高を上げる方法です。マンションなどで圧迫感を解消したい場合によく用いられます。
メリットとデメリット
直天井リフォームの主なメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・天井が高くなり、開放感のある空間を作れる |
・断熱性と防音性が低下する可能性がある |
直天井リフォームは、近年人気が高まっているリフォーム方法です。開放感のある空間を求める方におすすめですが、断熱性や防音性が低下する点には注意が必要です。また、マンションの場合は事前に管理組合への確認が必須です。
費用相場
直天井リフォームの費用は、既存の天井の構造や施工範囲によって大きく異なりますが、一般的な費用目安は、以下のとおりです。
- ❖ 6畳程度の部屋:20〜40万円
- ❖ 12畳程度の部屋:40〜60万円
これらの費用には、既存天井の解体、新しい天井の仕上げ、照明などの設備移設が含まれます。ただし、大規模な構造変更や特殊な仕上げを行う場合は、費用が高額になる可能性があります。また、マンションの場合、建物の構造上の制約により、実施できない場合や追加の補強工事が必要になることもあるため、事前に調査し、専門家の助言を受けるようにしましょう。
天井リフォームの注意点
天井リフォームを成功させるためには、いくつかの注意点があります。これらを事前に確認し、適切に対処することで、満足度の高いリフォーム結果を得ることができるでしょう。ここでは、天井リフォームを行う際に特に注意すべき3つのポイントについて解説します。
- ❖ 下地や天井裏の状態チェック
- ❖ 部屋全体の雰囲気も考える
- ❖ マンションの場合は規定を確認
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
下地や天井裏の状態チェック
天井リフォームを行う際は、表面だけでなく、下地や天井裏の状態をしっかりとチェックすることが重要です。築年数が古い住宅の場合、表面のクロスを剥がしてみると、予想以上に下地が傷んでいることがあります。このような場合、単に表面を張り替えるだけでは不十分で、下地の修繕や交換が必要です。また、天井裏に隠れた配管や配線の状態、断熱材の劣化なども確認する必要があります。
事前に専門家に依頼して現場調査を行うことで、このような潜在的な問題を把握し、適切な対策を講じることができます。これにより、リフォーム後の耐久性や安全性を確保し、長期的に満足できる結果が得られるでしょう。
部屋全体の雰囲気も考える
天井リフォームは、単に天井だけでなく、部屋全体の雰囲気に大きな影響を与える可能性があります。天井は部屋の面積の中でも大きな割合を占めているため、その色や質感の変化は室内全体の印象を大きく左右します。
例えば、天井の色を明るくすると部屋全体が明るく感じられ、逆に濃い色にすると落ち着いた雰囲気になります。また、天井の素材や仕上げ方によっても、部屋の印象は大きく変わります。
天井リフォームを計画する際は、壁や床の色、家具やインテリアとのバランスなど、部屋全体のコーディネートを考慮することが最終的にリフォームを成功させるポイントです。特に、照明との相性は重要で、天井の色や質感によって光の反射や拡散の仕方が変わるため、室内の明るさや雰囲気に大きく影響します。
プロの意見を聞きながら、部屋全体のデザインを考えたうえで天井リフォームの内容を決定すると、より調和のとれた、満足度の高い空間を作り出すことができるでしょう。
マンションの場合は規定を確認
マンションで天井リフォームを検討する場合、事前に管理規約を確認する必要があります。なぜならマンションは共同住宅であるため、個人の判断だけでリフォームを行うことができない場合があるからです。
一般的に、マンションの専有部分内のリフォームであっても、建物の主要構造部分に手を加えることは禁止されているケースが多くみられます。天井リフォームの場合、クロスの張り替えや塗装、二重天井から直天井への変更などは可能な場合が多いですが、コンクリートの構造部分を変更したり、吹き抜けにしたりするような大規模な改修は認められないと思っておきましょう。
また、防音や防水の観点から、床や天井の仕様に制限がある場合や、工事の際の騒音や振動、エレベーターの使用などについても規定がある可能性があります。
そのため、マンションで天井リフォームを行う前には、必ず管理組合や管理会社に相談し、管理規約を確認することが重要です。場合によっては、工事内容の承認を得る必要があるかもしれません。これらの確認を怠ると、工事の途中で中止を求められたり、原状回復を要求されたりする可能性があるので、十分に注意しておきましょう。
天井のリフォーム事例3選
天井リフォームの具体的なイメージを掴むために、実際の事例を見てみましょう。ここでは、異なるニーズや条件に応じた3つのリフォーム事例を紹介します。これらの事例を参考にすることで、自分の家に適したリフォームのアイデアが得られるかもしれません。
床と合わせた木目の天井
建築年 | 1973年 |
家族構成 | 本人+配偶者+両親 |
構造 | 木造 |
築50年の木造住宅を全面的にリノベーションした事例です。スケルトン状態まで解体し、新たに柱を加えて強度を高めるとともに、床と天井に木目を使用したことで、統一感のある温かみのある空間を創出しています。
リフォームのポイントとして明るさと採光計画に重点を置くことで、以前は暗くて寒かった部屋が明るく快適な空間に変わりました。また、高齢の両親との同居を考慮して段差をなくし、効率的な動線を確保しています。
このリフォーム事例を詳しく見る→白いクロスで明るい室内に
建築年 | 1998年 |
家族構成 | 2人 |
構造 | 木造 |
この事例は、築25年の木造住宅をリフォームしたもので、主な改修箇所は1階の水回りとLDK、和室、2階のトイレと各部屋のクロス・天井です。
リフォームのポイントは、リビングとキッチンの間仕切り壁を撤去して広々としたLDKを作り出したこと。また、既存の建具や床、キッチンなどが落ち着いた色だったため、クロスや天井を白く明るい色に変更したことです。その結果、全体的に明るい印象の室内空間が実現できました。
和室を洋室に変更し、収納も新設するなど、生活スタイルに合わせた改修も行われています。ほかにも白いクロスを使用することで、室内が明るく広々と感じられる効果が得られています。
このリフォーム事例を詳しく見る→天井だって好きな色にしたい
建築年 | 1999年 |
家族構成 | 2人 |
概算施工費 | 7,156,800円 |
構造 | 木造2階建て |
この事例は、築24年の木造2階建て住宅をリフォームしたもので、主な改修箇所は玄関、洋室、和室、ロフトです。
施主の主な要望は、寒さと結露対策、対面キッチンの設置、カフェ風の雰囲気の実現でした。これらの要望に応えるため、洗面所の建具位置を変更し、効率的な空間利用を実現しています。また、キッチンカウンター下に造作収納を設けるなど、収納スペースの確保にも配慮。
全体的に明るく温かみのある空間を目指し、天井もその雰囲気に合わせてデザインされています。
このリフォーム事例を詳しく見る→リフォームの第一歩はショールームから
天井に限らず、リフォームを考える際の第一歩として、ショールームを訪れることは必須です。ショールームでは実際の製品や材料を見て触れることができるため、イメージを具体化し、選択肢を広げることができるからです。
また、ショールームでは専門のスタッフに相談することもできるため、自分のアイデアや疑問点について、プロの意見を聞くことができます。これは、リフォームの計画を具体化する上で非常に有益なものとなるでしょう。
全国各地のLIXILショールームでは、LIXILグループのさまざまな商品を見ることが出来ます。キッチンや浴室も実際に質感や色味を確かめることが可能です。
忙しくてなかなか足を運べない方は、LIXILオンラインショールームでお気軽に相談することもできます。
まとめ
天井リフォームは、部屋の印象を大きく変える効果的な方法です。クロスの張り替え、塗装、板張り、直天井など、様々な選択肢があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。リフォームを行う際は、単に天井だけでなく、部屋全体の雰囲気や機能性を考慮することが重要です。また、下地や天井裏の状態確認、マンションの場合は管理規約の確認など、事前の準備も忘れずに行いましょう。
リフォームの第一歩として、まずはショールームを訪れてみてはいかがでしょうか。実際の製品を見て触れることで、より具体的なイメージを掴むことができます。適切な天井リフォームを行うことで、住まいの快適性が向上し、日々の生活をより豊かにできるでしょう。専門家に相談しながら、じっくりと計画を立てて、理想の天井リフォームを実現してください。
この記事の監修者
新井智美 / トータルマネーコンサルタント
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員の資格を保有。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。