700万円で家を変える!一戸建てリフォームの事例と成功のコツを紹介
- 公開:
- 2024.12.06
- 更新:
- 2024.11.28
リフォーム費用
「一戸建ての家を快適な住まいにリフォームしたい…」そんな願いを持つ方は多いものの、予算の制約に悩まれる方も少なくありません。本記事では、予算700万円で実現できるリフォームの可能性について、具体的な事例とともにご紹介します。
なお、リフォーム費用は地域性や原材料価格の変動、建物の状態などによって大きく変わる可能性があります。ここでご紹介する費用はあくまでも目安としてお考えください。
LIXIL不動産ショップでは、部分的なリフォームから資金の相談までワンストップでサポート。
実際のリフォーム事例も複数掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
CONTENTS
一戸建てのリフォームはいくらかかる?
一戸建て住宅のリフォーム費用は、工事の規模や範囲によって大きく異なります。一般的な費用の目安は以下の通りです。
- ❖ 部分的な改修(水回りや内装のみ):170万円~500万円
- ❖ 全面的な改修(外装含む):1,000万円以上
築年数や建物の状態、工事の内容によって費用は変動しますので、予算によって、目的に応じた効果的なリフォームが可能です。仮に700万円の予算を考えているなら、後で紹介するリフォームが可能ですので、参考にしてください。
一戸建てのリフォームは費用相場の幅が広い
一戸建てのリフォームは、部分的な修繕や設備の交換から、建物全体の大規模な改修まで、その範囲は実に幅広いものです。例えば、水回りだけの部分リフォームであれば数十万円から数百万円程度でリフォームが可能ですが、キッチンやお風呂、トイレなど水回り全体の改修となると170万円から500万円ほどの費用が必要になります。
さらに内装全体の刷新となると120万円以上、構造部分にも手を入れる大規模なフルリフォームの場合は1,200万円から2,000万円以上かかることも珍しくありません。このように、リフォームの範囲や工事の内容によって、必要な費用は大きく変動します。
また、同じ工事内容でも、選択する設備や素材のグレード、立地条件、建物の築年数や劣化状態、さらには地域による職人の人件費の違いなども、最終的な費用に影響を与える要因となります。そのため、リフォームを検討する際は、まずは希望する改修の範囲を明確にした上で、複数の業者から見積もりを取りましょう。
700万円で実現できるリフォーム
一戸建ての価値を高め、快適な住環境を作り出すリフォーム。予算700万円でも、目的や優先順位を明確にすることで、十分な効果が期待できる改修が可能です。ただし、リフォーム費用は地域による工賃の違いや、昨今の原材料価格の高騰により大きく変動する可能性があります。また、築年数や建物の状態によっても必要な工事内容が変わってくるため、まずは専門家に相談して具体的な見積もりを取ることをおすすめします。ここでは、予算700万円で実現可能な代表的なリフォーム内容をご紹介していきます。
1. 水回りのフルリフォーム
水回りの設備は毎日使用する場所だけに、快適性と機能性の向上は生活の質を大きく左右します。予算700万円あれば、キッチン、浴室、トイレ、洗面所といった水回り全体の刷新が可能です。最新のシステムキッチンへの交換(50~300万円)、広々としたユニットバスへの改装(100~200万円)、省エネ性能の高い温水洗浄便座付きトイレへの交換(10~40万円)、ホテルライクな洗面台への更新(10~50万円)などが実現できるでしょう。
また、水回り設備をまとめて交換することで、工事の効率化とコスト削減も期待できます。配管の位置を変更する場合は追加費用が必要になる可能性がありますが、既存の配管位置を活かしながら最新の設備に交換することで、予算内での改修が十分可能です。
2. 間取りの変更
ライフスタイルの変化に合わせた間取りの変更も、700万円の予算内で実現可能です。たとえば、リビングに隣接する和室との間仕切りを取り払って開放的なLDKを作ったり、子供の独立で不要になった子供部屋をホームオフィスや趣味の部屋、収納スペースへと変更したりすることができます。また、ウォークインクローゼットの新設(20~80万円)や、和室から洋室への変更なども可能です。
ただし、耐力壁(建物の構造を支える壁)の移動や大規模な間取り変更は、予算を超過する可能性があるため、事前に建築の専門家と十分な打ち合わせが必要です。複数の部屋を統合したり、収納スペースを効率的に配置したりすることで、限られた予算内でも快適な住空間を実現できます。
3. 内装のフルリフォーム
古くなった内装を一新することで、住まいの印象は大きく変わります。700万円の予算があれば、天井・壁のクロス張り替え(8~30万円/部屋)、フローリングの張り替え(15~40万円/12畳)、建具の交換、照明器具の更新など、内装全体の刷新が可能です。
また、和室から洋室への変更や、間仕切りの設置・撤去による空間の有効活用も検討できます。素材選びも重要で、自然素材の漆喰や珪藻土を使用することで、健康的で快適な室内環境を実現できるでしょう。
ただし、高級な建材や特注品を多用すると予算を超過する可能性があるため、メリハリのある材料選びが重要です。室内の雰囲気を統一することで、より上質な空間を演出することができます。
4. バリアフリーの実現
将来の暮らしを見据えたバリアフリーリフォームも、700万円の予算内で実現できます。具体的には、階段やトイレ、浴室などへの手すりの設置、床の段差解消、開け閉めが楽な引き戸への交換、玄関へのスロープ設置などが可能です。
また、浴室には滑りにくい床材を使用し、浴室暖房換気乾燥機を設置することで、ヒートショック対策にもなります。これらの工事は、高齢者だけでなく、小さな子どもや妊婦の方など、すべての家族にとって安全で使いやすい住環境を実現します。さらに、バリアフリーリフォームには様々な補助金制度が利用できる場合もあり、効果的な予算の活用が可能です。将来の暮らしを見据えた計画的な改修をおすすめします。
5. 省エネリフォーム
環境に配慮しながら光熱費の削減も実現できる省エネリフォームも、700万円の予算内で可能です。具体的には、壁や天井への断熱材の設置、外壁・屋根の断熱塗装、高効率給湯器への交換などが実施できます。また、太陽光発電システムと蓄電池の設置も検討可能です。これらの設備投資は初期費用がかかりますが、長期的には光熱費の大幅な削減が期待できます。
さらに、2024年は省エネリフォームに関するさまざまな補助金制度が用意されており、断熱リフォームや給湯器の交換、太陽光発電システムの設置などで補助金を活用できる可能性があります。詳しい補助金情報や注意点については、専門家に相談することをおすすめします。
断熱リフォームに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご一読下さい。
>>【2024年版】断熱リフォームで使える補助金はこれ!注意点とポイントも解説します
700万前で実現できないフォーム
一戸建てのリフォームには、予算700万円では実現が難しい大規模な工事も存在します。これらは主に建物全体に関わる大規模な改修や、特殊な要件が必要となるケースです。ここでは、予算700万円では実現が困難なリフォームの種類と、その理由について詳しく解説します。このような工事を検討される場合は、より大きな予算設定や、工事範囲の見直しなどの代替案を考える必要があるでしょう。
1. スケルトンリフォーム
構造体以外のすべてを解体して作り直す「スケルトンリフォーム」は、一般的な一戸建て住宅の場合、700万円では実現が困難です。これは、室内の間仕切り壁だけでなく、外壁も含めた大規模な解体・再構築が必要となるためです。また、工事を進める中で、予期せぬ劣化や損傷が見つかることも少なくありません。
たとえば、解体してみると柱や土台に腐食やシロアリ被害が発見される場合があり、これらの修繕には追加の費用が必要になります。スケルトンリフォームの場合、電気配線や給排水管なども一新する必要があり、一般的な費用は1,000万円を超えることがほとんどです。将来的な住宅の長寿命化を考えると魅力的な選択肢ですが、予算に余裕を持って計画する必要があります。
2. デザインリフォーム
建築家やデザイナーによる高度なデザインリフォームも、予算700万円では実現が困難なケースが多いといえます。デザインリフォームでは、単なる機能の改善や修繕にとどまらず、空間全体の質の向上を目指すため、本来であれば取り替えが必要のない部分も、デザイン的な統一感を出すために改修対象となることが多いのです。
たとえば、特注の建具や照明器具の採用、高級な内装材の使用、オリジナルの造作家具の製作など、デザイン性を高めるための付加的な要素が多く含まれます。また、建築家やデザイナーへの設計料も必要となるため、一般的なデザインリフォームの費用は800万円から1,000万円を超えるケースもあります。魅力的な住空間を実現できる反面、予算的なハードルは高くなってしまいます。
デザインリフォームについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご一読下さい。
3. 2世帯住宅への変更
一戸建て住宅を2世帯住宅に変更するリフォームも、予算700万円では実現が困難です。これは、従来1つの世帯で使用していた設備を2世帯分に分ける必要があるためです。具体的には、キッチン、浴室、トイレなどの水回り設備を新たに増設する必要があり、それに伴う給排水工事も発生します。また、玄関を分けたり、生活音や冷暖房の管理のために壁や床の遮音性を高めたりする工事も必要です。
さらに、それぞれの世帯のプライバシーを確保するための間取り変更も必要となります。これらの工事を総合すると、一般的な2世帯住宅へのリフォーム費用は1,000万円以上となることが多く、完全に独立した生活空間を求める場合は、さらに費用が増加する可能性があります。
予算700万円でリフォームを成功させるポイント
予算700万円でのリフォームを成功に導くためには、事前の準備と適切な判断が重要です。リフォームは一度決めたら簡単に変更できない大きな買い物であり、慎重に計画を立てる必要があります。ここでは、700万円という予算で後悔のないリフォームを実現するための重要なポイントについて、具体的に見ていきましょう。これらのポイントを押さえることで、限られた予算の中でも理想の住まいづくりが可能になります。
具体的なリフォームイメージを持っておく
リフォームを成功させる上で最も重要なのは、「どんな家にしたいのか」という具体的なイメージを持つことです。そのためには、現在の生活スタイルを振り返り、現状の不満や改善したい点を具体的にリストアップすることから始めましょう。家族との話し合いを通じて優先順位をつけ、予算内で実現可能な改修内容を明確にしていくことが大切です。ショールームや見学会に足を運び、実際の設備や空間を体感することで、より具体的なイメージを固めることができます。
漠然とした理想だけでリフォームを進めてしまうと、完成後に「収納をもっと増やしておけばよかった」「この設備は必要なかった」など、取り返しのつかない後悔を招く可能性があります。事前の入念な計画が、理想の住まいづくりへの近道となるでしょう。
想定外の費用が掛かることを知っておく
一戸建てのリフォームでは、工事を進めていく中で予期せぬ事態に直面することが少なくありません。例えば、壁を解体してみたら予想以上に劣化が進んでいた、床下の防腐材が傷んでいた、配管の腐食が見つかったなど、当初の見積もりには含まれていない追加工事が必要になることがあります。
また、工事途中での仕様変更や、建材の価格変動なども、予算超過の原因となり得ます。そのため、700万円の予算で計画を立てる場合は、想定外の出費に備えて10~20%程度の余裕を持たせておくことが賢明です。予算に余裕を持つことで、工事中に発見された問題にも適切に対応でき、より質の高いリフォームを実現することができます。
業者をしっかり選ぶ
リフォームにおける最も多い失敗の原因は、業者選びの失敗です。見積価格の安さだけで業者を選んでしまうと、工事途中での追加請求や、粗悪な施工による手直し工事の必要性など、予想外のトラブルに見舞われるケースがあります。実際、当初の見積もりよりも大幅に費用が膨らんでしまったり、仕上がりの品質が期待を大きく下回ったりするなどの問題が後を絶ちません。
信頼できるリフォームを実現するためには、単に価格の安さだけでなく、会社の実績や評判、過去の施工事例の品質、担当者の対応の丁寧さなどを総合的に評価することが重要です。また、複数の業者から見積もりを取り、提案内容や対応の違いを比較検討することで、より良い選択が可能になるでしょう。
700万前後のリフォーム事例3選
予算700万円前後でのリフォーム実例を見ることで、具体的な工事内容やその効果を知ることができます。同じような予算でも、建物の状態や優先順位によってさまざまなアプローチが可能です。ここでは、それぞれ特徴の異なる3つの事例をご紹介します。これらの事例を参考に、ご自身の住まいに最適なリフォームプランを検討してみましょう。
小さな戸建てを自分好みにリフォーム
建築年 | 1999年 |
家族構成 | 夫婦2人 |
概算施工費 | 約716万円 |
構造 | 木造2階建て |
昭和の趣を残す小さな戸建て住宅を、モダンで快適な空間へと生まれ変わらせた事例です。水回りのほかLDKの大規模な改修を行い、限られた空間を最大限に活用する工夫が施されています。対面キッチン・カップボードを配置できるように洗面所の建具位置を変更し、なおかつキッチンカウンター下に造作で収納設けました。また、断熱性能もグレードアップ。部屋と部屋のつながりを意識した間取り変更により、家全体の回遊性が向上し、生活動線も格段に改善されています。
このリフォーム事例を詳しく見る→古民家の良さを残しながら気になる部分は改修
建築年 | - |
家族構成 | 本人+配偶者 |
概算施工費 | 800万円 |
構造 | 木造 |
伝統的な日本家屋の魅力を活かしながら、現代的な快適性を追求したリフォーム事例です。築年数の経った和風建築特有の風情は残しつつ、水回りを中心に機能性を重視した改修を実施。断熱性能も強化し、夏は涼しく冬は暖かい住環境を実現。天井高を活かした開放的な空間づくりと、伝統的な意匠の融合により、新しい和の住まいが完成しました。
このリフォーム事例を詳しく見る→850万円で水回りと内装を一新
建築年 | 1985年 |
家族構成 | 夫婦と子供1人 |
概算施工費 | 850万円 |
構造 | 木造 |
築38年の住宅を現代の生活スタイルに合わせて一新した事例です。特に水回りを重点的にリフォームし、システムキッチンの導入や洗面所の機能性向上を図りました。内装も全面的に刷新し、暑さ・寒さの対策のために内窓も設置。設備の更新と合わせて断熱性能も強化し、快適な住環境を実現しています。
このリフォーム事例を詳しく見る→ショールームでリフォームのイメージを固めよう
リフォームを成功させる第一歩は、具体的なイメージを固めることです。カタログやインターネットでの情報収集も大切ですが、実際に設備や素材に触れることで、より確かな判断が可能になります。LIXILショールームでは、キッチンや浴室などの水回り設備はもちろん、床材や建具、照明器具まで、実物を見て、触れて、体験することができます。プロのアドバイザーに相談しながら、理想の住まいづくりのヒントを見つけることができるでしょう。時間のない方は、オンラインショールームを活用して、自宅にいながら相談することも可能です。納得のいく選択のために、まずはショールームへ足を運んでみましょう。
全国各地のLIXILショールームでは、LIXILグループのさまざまな商品を見ることが出来ます。キッチンや浴室などの水回りはもちろん、内装に使うクロスや木材の質感や色味も実際に確かめることが可能です。
忙しくてなかなか足を運べない方は、LIXILオンラインショールームでお気軽に相談することもできます。
まとめ
予算700万円でのリフォームは、適切な計画と準備があれば、十分に理想の住まいづくりが可能です。成功のカギは、具体的なイメージを持ち、信頼できる業者を選び、想定外の事態にも対応できる余裕を持った予算計画を立てることです。
また、ショールームでの下調べや、実例の研究を通じて、より確かな判断材料を得ることが重要です。リフォームは住まいの価値を高め、暮らしの質を向上させる大切な投資です。慎重に検討し、準備を重ねることで、後悔のない理想の住まいを実現できるでしょう。
この記事の監修者
新井智美 / トータルマネーコンサルタント
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員の資格を保有。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。