住まいの壁リフォーム。その費用や注意点、3つの成功事例もご紹介
- 公開:
- 2024.07.31
- 更新:
- 2024.08.09
リビングリフォーム
経年劣化を防ぎたい、利便性・快適性・機能性を向上させたいなど、さまざまな目的で壁リフォームを検討している方も多いのではないでしょうか。
壁のリフォームには、壁材を新しくする、壁を撤去・新設するといったようにさまざまなリフォーム内容があるため、リフォーム工事の詳細を事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、壁リフォームの種類、注意点や事例などを紹介します。壁リフォームを検討している方はぜひ参考にしてください。
LIXIL不動産ショップでは、住宅のリフォームはもちろん、中古物件の購入もワンストップでサポート。 実際のリフォーム事例も掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
CONTENTS
壁リフォームの3つの種類
壁リフォーム工事には以下のような種類があります。
- ❖ 壁材を新しくする
- ❖ 壁を撤去する
- ❖ 壁を設置する
それぞれの壁リフォームについて詳しく見ていきましょう。
1. 壁材を新しくする
築年数が経過した物件の壁材は、汚れや日焼けなどによって劣化が進行しています。壁リフォームにて壁材を新しくすれば、劣化が改善することで室内の美観が向上するほか、使用する壁材によっては断熱性や防音性が向上します。
また、機能性の高い壁材を使用すれば、防火性や調湿性が向上することで安心・快適に暮らせるでしょう。
2. 壁を撤去する
家族構成の変化で部屋を持て余している、1つ当たりの部屋が狭くて使い勝手が悪いといった悩みを抱える方も少なくありません。そこでおすすめするのが壁を撤去するというリフォームです。
リフォームで壁を取り除いた場合、家族構成やライフスタイルに間取りを合わせることで快適性が向上するほか、部屋が広くなることで開放感が生まれます。ただし、壁が建物の構造体となる耐力壁だと撤去ができません。自由に壁を撤去できるわけではないため、事前に専門家に相談することが必須です。
3. 壁を設置する
壁リフォームでは、壁の撤去だけでなく、壁を新たに設置することも可能です。壁を新たに設置して間取りを変更すれば、部屋数を増やして家族構成やライフスタイルに間取りを合わせることで快適性が向上します。
また、壁は構造的な役割や断熱・防音の役割を担います。壁を設置することで建物の安定性や強度、断熱性や防音性を向上させることも可能です。ただし、壁の設置は壁リフォームの中で最も費用を要する工事なので、おおよその費用を事前に把握しておくことが大切です。
1. 壁材を新しくするリフォーム
壁材を新しくするリフォームは壁リフォームで最もポピュラーですが、内容によって費用や工期が違うため、内容ごとの費用や工期を確認しておくことが大切です。
壁材を新しくするリフォームは以下の3つに分類されます。
- ❖ 壁紙(クロス)の張替え
- ❖ 壁に塗装する
- ❖ 塗り壁への変更
それぞれのリフォームを詳しく解説します。
壁紙(クロス)の張替え
壁紙(クロス)の張替えで使用する素材には、以下のようなものがあります。
- ❖ ビニールクロス:表面に塩化ビニール樹脂、裏面に紙を使用した壁紙
- ❖ 紙クロス:パルプなどを原料とした和紙や洋紙などを使用した壁紙
- ❖ 織物クロス(布クロス):主に木綿や麻、シルク、不織布などの織物に紙を裏打ちした壁紙
- ❖ 木質系壁紙:表面には天然木やコルクなどの素材、裏面には紙やアルミなどの合板を合わせた壁紙
- ❖ 無機質系壁紙:漆喰や珪藻土、セラミック、ガラス繊維などを主な原料とした自然素材を使用した壁紙
壁紙(クロス)は、比較的安価に部屋の雰囲気を変えるリフォームに適しています。
大まかな費用と工期
10畳程度のリビングの天井や壁の壁紙(クロス)の張替えにかかる費用は5~10万円程度です。また、工期は数時間~1日と比較的安価・短期に雰囲気を変えることが可能です。
壁に塗装する
壁紙を張替えるのではなく、ペンキなどで壁に塗装をするという選択肢もあります。壁紙よりも発色が良く、おしゃれな色味を出せるほか、施工がしやすいという理由からDIYでも人気があります。
大まかな費用と工期
10畳程度のリビングの天井や壁の塗装にかかる費用は5~10万円程度です。また、工期は半日~4日と壁紙の張替えよりも費用が同じ、もしくはやや高くなり、かつ工期がかかります。合わせて塗装作業中は十分に換気が必要となる点にも注意が必要です。
塗り壁への変更
壁に砂や漆喰、珪藻土などを塗って仕上げる塗り壁への変更も選択肢の1つです。塗り壁は防火性や遮熱性に優れており、万が一燃えた場合でも有害物質が発生しません。また、呼吸性・調湿性に優れており、機能性を重視する方に人気があります。
大まかな費用と工期
10畳程度のリビングの天井を塗り壁に変更する費用は10~15万円程度です。また、工期は下地処理や乾燥に時間を要するため、1~2週間程度です。費用が高額かつ工期も長くなる点に注意してください。
2. 壁を撤去するリフォーム
既存の壁を撤去することで開放的なスペースを確保できるようになるほか、家族構成やライフスタイルに合う間取りに変更することが可能です。
しかし、構造体の耐力壁となっている壁は撤去できません。どの壁であれば撤去できるのかを事前にしっかり把握しておくことが大切です。
大まかな費用と工期
壁の撤去にかかる費用は面積や電気工事の有無によって多少変動がありますが、5~15万円程度です。工期は壁の撤去だけであれば1日で済みますが、規模が大きい、追加工事を必要とする場合は数日かかります。
3. 壁を設置するリフォーム
壁を新たに設置すれば部屋数を増やして家族構成やライフスタイルに間取りを合わせることができるほか、建物の安定性や強度、断熱性や防音性を向上させることも可能です。
しかし、最も費用がかかる壁リフォームかかるため、予算内に収まるかどうかを事前に確認しておく必要があります。
大まかな費用と工期
壁を新たに設置するだけの場合の費用は10~15万円程度です。しかし、電気工事や照明の設置といったように追加工事が必要な場合は30~40万円程度の費用がかかります。
また、工期は2週間程度ですが、規模が大きく、追加工事が必要な場合は1か月程度かかる可能性があるので注意が必要です。
壁リフォームの注意点
壁リフォームに取り掛かる際は、以下の4つの点に注意が必要です。
- ❖ マンションは管理規約を確認
- ❖ リフォーム時期を考慮
- ❖ リフォーム後のことを考える
- ❖ リフォーム業者の選定は慎重に
それぞれの注意点を詳しく説明していきます。
マンションは管理規約を確認
居住しているのがマンションの場合、希望する壁リフォームを必ず実施できるとは限りません。その理由は、管理規約で壁リフォームについて何らかの規制が設けられている可能性があるためです。
例えば、具体的な壁材の選定、工法、業者の選定についてのルールが定められている可能性があります。他の住民や管理組合とのトラブルを避けるためにも、まず管理規約を確認してから壁リフォームを実施しましょう。
マンションのリフォームについてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
失敗しないマンションリフォーム。費用相場やよくあるトラブルも解説
リフォーム時期を考慮
リフォーム業者の繁忙期に壁リフォームを実施した場合は、人件費や材料費が高騰することで壁リフォームの費用が高額になる可能性があります。
リフォーム業者の繁忙期は3~5月、9~12月です。この時期を避けることで費用を抑えられる可能性が高く、入念な打ち合わせが可能となります。失敗を回避するためにも繁忙期を避けることをおすすめします。
リフォーム後のことを考える
壁リフォームは経年劣化をカバーすることによって見た目の改善を図るだけが目的ではありません。機能性や快適性の向上を目的とした壁の撤去や新設の場合は、壁リフォーム後の住空間が大きく変化するため、事後の使い勝手が悪くならないか慎重に判断することが大切です。
既存部分との調和、費用対効果などをしっかり考えてから壁リフォームを実施しましょう。
リフォームのよくある失敗についてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。
リビング・キッチンのおしゃれリフォーム。失敗しないポイントや事例もご紹介
リフォーム業者の選定は慎重に
リフォーム業者によって得意とする分野は異なります。そのため、リフォーム業者に依頼する際は、各業者の得意分野を確認し、信頼できるリフォーム業者なのかを確認することが大切です。
特に壁の撤去や新設などの壁リフォームを実施する場合、構造的な変更が生じるため、建築士が在籍しているリフォーム業者のほうが安心です。専門的な知識を有しているか、これまでの実績などを確認してから依頼しましょう。
壁リフォームの3つの事例
壁リフォームを検討している方に向けて、具体的な壁リフォームの3つの事例を紹介します。
珊瑚が入った塗り壁にリフォーム
全ての部屋を珊瑚が入った塗り壁に仕上げた事例です。珊瑚が入った塗り壁には、調湿効果・消臭効果・抗菌効果があるほか、クロスの上から塗ることができるため、施工効率・コスパの面でも優れています。
リフォームの詳細については以下のページをご覧ください。
このリフォームを詳しく見る→壁リフォームで間取りを変更
元は6Kの木造住宅でしたが、壁を撤去して対面キッチンを設置する間取り変更により5LDKとなりました。壁を撤去したことでキッチンとリビングの一体感が生まれ、開放的な空間となりました。
リフォームの詳細については以下のページをご覧ください。
このリフォームを詳しく見る→アーチの垂れ壁で個性的な内装を実現
孤立したキッチンの位置を思い切って変更して対面キッチンへと変更することによって家族の時間を有意義に使えるようになりました。また、漆喰といった自然素材を採用し、アーチの垂れ壁を多く設けたことによって個性的な内装を実現しました。
リフォームの詳細については以下のページをご覧ください。
このリフォームを詳しく見る→壁のリフォームで理想の住まいにするために
壁紙の変更、壁の撤去・新設といった壁リフォームをすれば、機能性や快適性の大きな向上が期待できます。しかし、壁リフォームの内容によっては費用が高額になるため、全体のバランスや費用について、トータルに考えたリフォームを行うことが大切です。
理想的な住まいを実現するためには、専門家に相談する、ショールームに足を運んでイメージを固めることが欠かせません。信頼できる専門家に相談し、イメージをしっかり固めてから壁リフォームを行いましょう。
リフォームのイメージを固めるならショールームで
全国各地のLIXILショールームでは、LIXILグループのさまざまな商品を展示しています。壁のリフォームに使う建材などを実際に見たり触れたりすることでリフォームのイメージを固めていくことができます。忙しくてなかなか足を運べない方は、LIXILオンラインショールームでお気軽に相談することもできます。
LIXILショールームに相談する→また、LIXIL不動産ショップでは、水回りや屋根・壁などの部分的なリフォームから一戸建ての全面リフォームまで様々なリフォームを手掛けてきました。
壁リフォームによる間取りの変更や資金計画などリフォームに関するご相談はぜひLIXIL不動産ショップまでご相談ください。
お近くの店舗を探す→まとめ
壁リフォームを行うことで、機能性や快適性の向上が期待できます。壁リフォームは工事内容によって費用が異なるため、事前にどのくらいの費用がかかるのかを把握しておくことが大切です。
壁を撤去するリフォームについては撤去を希望する構造体の耐力壁となっている可能性があるため、必ずしも撤去できるとは限りません。また、マンションの場合は、管理規約で壁のリフォームについて何らかの制約が設けられている可能性があります。
理想的なリフォームを実現するためにも、壁リフォームに詳しい専門家に相談するほか、管理規約をしっかり確認してから実施しましょう。
この記事の監修者
新井智美 / トータルマネーコンサルタント
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員の資格を保有。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。