古い家のリフォーム費用相場。費用の抑え方や事例もご紹介

公開:
2024.09.20
更新:
2024.09.18

リフォーム費用

古い家のリフォーム費用相場。費用の抑え方や事例もご紹介

老朽化が進行した、もしくは家族構成の変更があったなどの理由でリフォームを検討している方も多いでしょう。

リフォームは時間がかかるだけでなく内容によっては多額の費用がかかるため、トラブルがなく速やかに工事を進めるためにも、事前にしっかりと計画を練っておくことが大切です。

この記事では、古い家のリフォームとは何なのか、リフォームを考えるべきタイミング、そしてリフォームにかかる費用、費用を安く抑えるコツ、注意点などを解説します。

LIXIL不動産ショップでは、中古物件の購入からリフォームまでワンストップでサポート。 実際のリフォーム事例も掲載していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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古い家のリフォームとは

古い家のリフォームとは、既存の住宅を改修して新築の状態に戻すことです。特に住み慣れた愛着ある家を解体したくない方や建物の寿命を延ばしたいと考えている方に適しています。

また、新築の注文住宅の購入に比べて費用を抑えられるため、経済的なメリットが大きいことから古い家を購入してリフォームする方も少なくありません。

古い家のリフォームは、古い建材やデザインを活かしながら現代の生活様式に合わせた機能にすることで住まいの価値を高める方法として人気です。

リフォームと建て替えの違い

リフォームでは既存の住宅を新築の状態に戻して住み心地や機能を改善する一方、建て替えでは既存の住宅を取り壊し、新たに住宅を建築します。

リフォームのメリットは、愛着ある家をそのまま活かしながら改善できるため費用を抑えられる点です。また、工期が短く、環境負荷も低いです。しかし、構造や間取りに制約があり、大規模な改修には限界があります。

建て替えのメリットは、自由な設計により最新技術や素材を使用でき、理想の住宅を実現しやすいことです。また、耐震性や断熱性などの基本性能を大幅に向上させることができます。しかし、費用が高額になりやすく工期が長い、環境への負荷が大きいという点がデメリットとして挙げられます。

最適な選択肢は個々のニーズや予算、住宅の状態などで異なりますが、それぞれの特徴を理解し、最適な方法を選択することが重要です。

リフォームを考えるべきタイミングとは

リフォームを考えるべきタイミングとは

最適なリフォームのタイミングは人によって異なります。最適なタイミングでリフォームを実施するためにはリフォームを考えるべきタイミングを事前に知っておくことが大切です。

リフォームを考えるべきタイミングとして、以下の3つが挙げられます。

  • ❖ 住宅の老朽化
  • ❖ より快適な家にしたい
  • ❖ 生活スタイルの変化

それぞれのタイミングを詳しく見ていきましょう。

1. 住宅の老朽化

築年数が経過した場合、外壁のひび割れや屋根の劣化、配管の老朽化などが目立ち始め、生活に支障をきたす可能性があります。また、断熱性能や耐震性も低下し、快適さや安全性が損なわれることも。

これらの問題を放置した場合、修理費用が増大する可能性があるため、早めのリフォームが必要です。住宅の老朽化を感じた場合は専門家に相談し、適切な修繕計画を立てることをおすすめします。

2. より快適な家にしたい

今住んでいる家に不満がある場合もリフォームを考えるべきタイミングです。例えば、間取りが使いづらい、収納が不足している、断熱性能が低い場合は、生活に支障をきたす要因を改善することによって日々の生活の質が向上します。

また、最新の設備を導入することによって家事の効率化やエネルギーコストの削減も期待できます。快適さを追求するためのリフォームは、住まいの価値を高めるための重要な投資と言えるでしょう。

3. 生活スタイルの変化

生活スタイルの変化もリフォームを考えるべきタイミングの1つです。例えば、子どもの独立によって部屋を持て余している場合は、趣味のスペースやゲストルームに変更できます。

また、親との同居を考えるなら二世帯住宅への改修が適しています。高齢者がいる家庭ではバリアフリー化を行うことで安全で快適な生活環境を整えられます。家族のライフステージに合わせて住まいを最適化すれば、長く快適に暮らせるでしょう。

部分的にリフォームする場合の費用

部分的にリフォームする場合の費用

リフォームの費用は内容によって大きく変化します。そのため、もし部分的なリフォームを行うのであれば、内容ごとのおおよその費用を把握しておくことをおすすめします。

費用を把握しておけば予算をオーバーするといったトラブルを回避でき、限られた予算の範囲内で優先すべきリフォームを判断しやすくなるでしょう。

部分的なリフォームを行う場合の費用相場を詳しく解説します。

水回りのリフォーム費用

水回りとは、キッチン、浴室、トイレ、洗面所などのことです。これらのおおよそのリフォーム費用は以下の通りです。

項目 リフォーム費用
キッチン 50~300万円
浴室 100~200万円
トイレ 10~40万円
洗面所 10~50万円

高級な設備や特殊なデザインを選択する場合、費用がさらに増加する可能性があるので注意が必要です。

居室のリフォーム費用

居室は大きく以下の3つに分類されます。それぞれのリフォームにかかる費用は以下の通りです。

項目 リフォーム費用
リビング 20~250万円
寝室 5~100万円
和室 5~100万円

壁紙の張り替えや床の張り替え、照明の交換などの一般的なリフォームの費用相場は上記の通りです。使用する材料やデザインの選択によっては費用が上記よりも高額になる可能性があるので注意してください。

水回りや居室のリフォームの大まかな費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
気になる方はぜひご覧ください。

リフォーム費用の相場は?費用の抑え方や後悔しないコツも解説

内壁や収納のリフォーム

内壁や収納のリフォームにかかる費用は以下の通りです。

項目 リフォーム費用
5~15万円
収納 10~40万円

壁紙の張り替えや塗装の場合は5~10万円程度で済みますが、砂や漆喰、珪藻土などを使った塗り壁の場合は10~15万円程度と若干高めです。

収納スペースのカスタマイズや高品質な素材を使う場合は費用が増加する可能性もあるので注意が必要です。

壁や収納のリフォームについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
気になる方はぜひご覧ください。

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外壁や屋根のリフォーム

外壁や屋根のリフォームにかかる費用は以下の通りです。

項目 リフォーム費用
外壁 塗装:60~180万円
重ね張り:130~220万円
張り替え:150~230万円
屋根 塗装:15~80万円
重ね葺き:60~250万円
葺き替え:70~260万円

同じ項目であっても種類によって費用が大きく違います。また、外壁や屋根の工事は足場の設置が必要です。バラバラにリフォームを実施した場合は、足場の設置費が2回発生することになるため、費用を抑えたい方は外壁と屋根をまとめて実施することをおすすめします。

建物全体をリフォームする場合の費用

建物全体をリフォームする場合の費用

建物全体のフルリフォームを行う場合は、いくらくらいの費用が必要なのでしょうか。築年数によって費用は大きく異なるため、築年数ごとの費用を把握しておくことをおすすめします。

築年数とリフォームの内容、それぞれの費用を詳しく説明します。

築年数とリフォームの内容

築年数による費用の目安とリフォームの内容を表にまとめると以下の通りです。

築年数 費用 リフォーム内容
築20年 100~800万円 水回りと内装リフォーム
築30年 800~1,200万円 内装のスケルトンリフォーム
築40年 1,200~2,000万円 内装と外装のスケルトンリフォーム

築20年 水回りと内装リフォーム

築20年の場合、お風呂やキッチン、トイレなどの日常生活でよく使用する水回りの設備が寿命を迎えるため、水回りを中心としたリフォームを行います。室内クロスは日焼けによる影響や喫煙による影響を受けるため、これらの交換も必要です。費用の目安は100~500万円です。

屋根や外壁の塗装、シロアリの点検工事なども実施すれば、10年後、20年後も安心して暮らせるでしょう。

築30年 内装のスケルトンリフォーム

築30年の場合、子どもが独立して生活スタイルが変化する可能性が高いです。この場合、水回りだけでなく、建具や各配管の点検なども含めた現在の構造をそのまま活かした内装のスケルトンリフォームが理想的です。費用の目安は800~1,200万円と築20年よりも高額になります。

根や外壁、シロアリ対策などもしっかりと行いましょう。

築40年 内装と外装のスケルトンリフォーム

築40年の場合、水回りや内装だけでなく、外壁や屋根などの外装を含むスケルトンリフォームが基本ですが、状況によっては耐震構造の強化やバリアフリー化などが必要です。間取りも現代のライフスタイルに合わず、間取りの大幅な変更を伴う規模が大きなリフォームになるということも少なくありません。

費用の目安は1,200~2,000万円ですが、状況によってはこれよりも高額になります。リフォームでは根本的な問題を解決できない場合や費用が高額になる場合は建て替えを検討するのも選択肢の1つです。

リフォーム費用を安く抑えるコツ

リフォーム費用を安く抑えるコツ

リフォームにかかる費用は、以下のコツを取り入れることによって安く抑えることが可能です。

  • ❖ 設備費を抑える
  • ❖ 工事費を抑える
  • ❖ 補助金を活用する

それぞれのコツについて詳しく説明します。

設備費を抑える

リフォーム費用を安く抑えるためには、特に水回りなどの設備費を見直すことが重要です。設備のグレードやサイズ感を適切に選ぶことによってコストの削減が可能です。

例えば、キッチンや浴室の設備は高級品を選ぶと費用が増加しますが、必要な機能を満たす中価格帯の製品を選ぶことによって無駄なコストを削減できます。

また、セールやキャンペーンを利用する、複数の業者から見積もりを取ることによってよりお得な選択ができます。これらの工夫を取り入れて賢くリフォーム費用を抑えましょう。

工事費を抑える

リフォーム費用を安く抑えるには、工事費の見直しも欠かせません。既存の設備を最新のものにするだけでなく、間取り変更を行う場合は壁の解体工事が必要になり、左官工事やタイル工事などの職人の作業が発生することで人件費がかかります。つまり、工事の規模や期間、職人の数が増えるほど費用が上昇するということです。

そのため、特に強い希望がない箇所については工事の規模を縮小するのも選択肢の1つです。部分的な改修や既存のレイアウトを活かす方法を選ぶことで、費用を大幅に抑えることができます。

さらに、DIYで可能な範囲の作業を自分で行うこともコスト削減に役立ちます。工事の優先順位を明確にし、必要最低限の改修に留めることで、リフォーム費用を効率的に抑えられるでしょう。

補助金を活用する

国や自治体が提供している補助金を活用することで費用を抑えることができます。特に省エネ化を目的とした断熱改修を行うことで、補助金を受け取ることが可能です。

例えば、外壁や窓の断熱性能を向上させることで冷暖房効率が上がり、エネルギー消費削減につながります。リフォーム費用の一部は補助金で賄うことができます。

自治体ごとに補助金制度は異なるため、事前に情報を収集し、申請手続きをしっかりと行うことが重要です。補助金を上手に活用することで、経済的負担を軽減しながら、快適で省エネな住まいを実現できるでしょう。

リフォームの補助金に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はぜひご覧ください。

【2024年版】断熱リフォームで使える補助金はこれ!注意点とポイントも解説します

古い家のリフォーム事例4選

どのようなリフォームをすればいいか悩んでいる方も多いことでしょう。理想的なリフォームを実現するには完成図を事前にイメージしておくことが大切です。

そこで古い家のリフォーム事例を4つご紹介します。

LDKを対面キッチンに間取り変更

LDKを対面キッチンに間取り変更

項目 詳細
築年数 2006年
家族構成 夫婦・子ども3人
概算施工費 330万円
構造 木造3階建

こちらはLDKと和室の間仕切り建具を撤去して、対面キッチンに変更した事例です。和室を撤去したことで、5LDKから4LDKに部屋数は少なくなったものの、建具、垂れ壁、段差をなくしたことで1室のすっきりした広い空間に変わりました。

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古民家の雰囲気を活かし部分的にリフォーム

古民家の雰囲気を活かし部分的にリフォーム

項目 詳細
築年数 築年数不詳
家族構成 本人+配偶者
概算施工費 800万円
構造 木造

古民家の良さを活かしながら部分的にリフォームを実施した事例です。古民家では目に見えない部分の修繕も必要ですが、全てを新しくするのではなく、使えるものは再利用し、良き味わいを残しながら住宅の快適性を向上させることに成功しました。

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1階はほぼ全面的に、2階は部分的にリフォーム

1階はほぼ全面的に、2階は部分的にリフォーム

項目 詳細
築年数 1998年
家族構成 2人
概算施工費 約1,000万円
構造 木造

1階部分はほぼ全面的、2階部分は費用を抑えるために一部リフォームを実施した事例です。1階はリビングとキッチンの間仕切り壁を撤去し、広々としたLDKへの変更と水回りの改修、2階はトイレと各部屋のクロス・天井を貼り換えました。リフォームにて落ち着いた色から明るい外観・室内空間になるようにしました。

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子育てを意識して全面リフォーム

子育てを意識して全面リフォーム

項目 詳細
築年数 1974年
家族構成 本人・配偶者・子1人
概算施工費 2,000万円
構造 木造

子育てしやすい環境を考慮しつつ、自分たちの好みに合う外観、インテリアにこだわった事例です。しっかり耐震補強、最新の断熱仕様にし、新築同様の性能となりました。

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古い家をリフォームする際の注意点

古い家をリフォームする際の注意点

古い家のリフォームで失敗を防ぐためには、以下の3つの注意点を押さえておくことが大切です。

  • ❖ 追加費用がかかる可能性がある
  • ❖ 建築の確認申請が必要なケースがある
  • ❖ リフォーム業者をしっかり選ぶ

それぞれの注意点を詳しく解説します。

追加費用がかかる可能性がある

古い家のリフォームでは、予期せぬ追加費用が発生する可能性があります。例えば、壁や床を解体した際に、シロアリ被害や配管の老朽化が見つかるということも少なくありません。また、古い住宅は現行の建築基準に適合していない場合があり、耐震補強や電気配線の更新が必要で総費用が増加することも。

これらのリスクを避けるには、事前に専門家による徹底的な調査を依頼し、予算に余裕を持たせておくことが重要です。リフォームの計画を立てる際には、追加費用の可能性を十分に考慮し、柔軟な対応ができるように準備しておきましょう。

建築の確認申請が必要なケースがある

リフォーム内容によっては建築確認の申請が必要になる場合があります。特に木造3階建といった大掛かりなリフォーム、屋根や外壁の工事を行う際は事前に申請が必要です。

建築確認の申請は、安全性や法令遵守を確認するための手続きであり、申請を怠ると罰則が科されることも。また、増改築や耐震補強、エクステリアの大規模な変更も申請対象となることがあります。申請手続きには、時間と費用がかかるため、リフォーム計画の初期段階で確認しておくことが重要です。

専門家に相談すれば、手続きの流れや必要書類を詳しく知ることができ、スムーズに進めることができます。リフォームを成功させるには、法的な手続きを適切に行い、安全で安心な住まいを実現することが大切です。

リフォーム業者をしっかり選ぶ

リフォームを行う際、業者との打ち合わせにて意見がきちんと反映されていない、複数の業者が関わる場合に工事範囲が食い違うなどのトラブルが発生しやすいです。

トラブルを避けるには、信頼できる業者を選ぶことが重要です。まずは過去の実績や口コミ、施工事例などを確認し、信頼性や技術力を評価しましょう。

見積もりや契約内容を詳細に確認し、曖昧な点がないか確認することも大切です。複数の業者から見積もりを取り、比較検討することで適切な価格とサービスを見極められます。しっかりとした業者選びを行うことで、安心してリフォームを進めることができ、満足のいく仕上がりを得られるでしょう。

リフォームのイメージを固めるならまずショールームで

リフォームのイメージを固めるならまずショールームで

古い家のリフォームで理想的な家を実現するには、リフォーム事例を確認するだけでなくショールームなどに足を運び、イメージを固めることが重要です。

費用にお困りの方も、補助金や助成金などを利用することで限られた予算でも理想の住まいを実現できます。ただし、補助金や助成金などは申請条件が複雑なことも多いため、専門家に相談することをおすすめします。

LIXILのショールームへぜひお越しください

全国各地のLIXILショールームでは、LIXILグループのさまざまな商品を展示しています。実際に見たり触れたりすることでリフォームのイメージを固めていくことができます。忙しくてなかなか足を運べない方は、LIXILオンラインショールームでお気軽に相談することもできます。

LIXILショールームに相談する

また、LIXIL不動産ショップではリフォームに関する補助金や住宅ローンの相談も可能です。興味のある方はぜひご相談ください。

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まとめ

リフォームは家の寿命を延ばし、快適さを向上させる重要な手段です。特に老朽化した住宅や生活スタイルの変化に対応するためのリフォームは欠かせません。

費用を抑えるには、設備費や工事費の見直し、補助金の活用が有効です。また、リフォーム業者選びや法的な手続きを適切に行うことも重要です。

理想的なリフォームを実現するためにも、リフォーム事例を確認する、ショールームで実際に商品を確認し、イメージを固めておきましょう。

この記事の監修者

新井智美 / トータルマネーコンサルタント

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員の資格を保有。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間500本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。